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未来 湊かなえ

「イヤミスの女王」の名にふさわしいイヤミス要素てんこ盛りの1冊。あまりにその要素が多すぎて辟易するという書評もあるようだが、こういう現実もあるだろうと思わせるしっかりした構成の見事さの方がそうした欠点を上回っているような気がする。最初に提示される大きな謎の真相もそれなりに内容と話の展開に合致している。いじめ問題や育児放棄など現代社会が抱える大きな問題をいくつも扱っていて「焦点がぼける」という批判はある意味当たりかもしれないが、そうした問題が複雑に絡み合っているのが現実なのだろう。(「未来」 湊かなえ、双葉社)

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