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語り屋カタリの推理講戲 円居挽
本書は、大掛かりなリアル謎解きゲームの模様を描いた小説だが、不思議なことに、そこで語られるのは、ゲームの仕組みや謎そのものではなく、ゲームに参加しているプレーヤーの行動や言動ばかりで、読者は、ゲームのルールの全貌もどんな謎解きを競っているのかといともはっきり知らされないまま、登場人物であるゲームの参加者が語る抽象的な議論を読まされることになる。こんな具体性のない話の何が面白いのかと最初のうちは思うのだが、慣れてくると言葉の遊びのような話が結構面白くなってくるから不思議だ。本書の持つ独特の雰囲気とか世界観に慣れてきたということなのかもしれないが、個人的にはあまり慣れたくない世界だなというのが正直な感想だ。(「語り屋カタリの推理講戲」 円居挽、講談社文庫)
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