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フーガはユーガ 伊坂幸太郎

単行本だが、通っている病院への往復の電車の中と病院での待ち時間で読み終えたので、中編といった方が良いかもしれない。何故か誕生日になると一定時間だけ心身ともに入れ替わってしまうという双子の話だ。ものすごい特異現象だが、心だけでなく瓜二つの身体も入れ替わってしまうというのがミソで、大した役に立たないばかりか、むしろ不便なことの方が多いというのが面白い。この能力を使って兄弟が命をかけた冒険に挑む。登場人物、特に主人公周辺の大人たちは皆どうしようもない悪人ばかりで、それに立ち向かう主人公たちの奮闘は切ないが、最後には少しホッコリできる著者らしい一冊。(「フーガはユーガ」  伊坂幸太郎、実業之日本社)

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