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11文字の檻 青崎有吾

書評誌のランキングで本書に収録されている短編「恋澤姉妹」が年間ベストワンと絶賛されていたので、読んでみることにした。内容は、実際の事件を題材にしたミステリー、ショートショートなどバラエティに富んだ短編集。ベストワンに推されていた「恋澤姉妹」は、自分たちに干渉する者を容赦なく抹殺してしまうという姉妹の物語。これまで読んだことのない不思議な物語だが、ベストワンに推されているのが何となく分かる気がした。それと同じくらいびっくりしたのが表題作。監獄に収容された政治犯が脱出するための11文字のパスワードを推理していくというこちらも不思議な設定の話。先日読んだ著者の「地雷グリコ」に通じる論理思考パズルもので、どちらが先に書かれたのかは分からないが、こちらも今まで読んだことのない虜になるような不思議な面白さをもった作品だった。(「11文字の檻」 青崎有吾、創元推理文庫)
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