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凍 沢木耕太郎

登山家山野井夫妻によるヒマラヤ・ギャチュンカン登攀を記したノンフィクション。評判は前から聞いており、「ノンフィクションの最高傑作である」と断言する人もいる。ある「ノンフィクション・ベスト10」という文章のなかでも、「『凍』は当たり前すぎるので入れない」という記述があったほどだ。頑張ればちょうど出張で電車に乗っている時間に読み切れるのではないかと思っていたが、読み始めてすぐに方針を変換、あまり先を急がずじっくり読むことにした。本書を読んで、ノンフィクションというのは「対象の面白さ・すばらしさ」と「筆者の文章の確かさ」が両方あって初めて傑作になるのだということが良く判る。この本を読むと、「山野井夫妻」のすごさに驚愕するとともに、これを書いた著者にも感心してしまう。どうすればこれだけ精緻で的確な文章が書けるのか不思議だ。はじめからこの登山に同行したのではないかと思われるほどリアリティがある。本書の最後に出てくる「登山歴のない中年男性」というのが作者であることを「あとがき」で知ったが、これには少し笑った。最近この山野井夫妻、熊に襲われ怪我をされたとのこと。それでもお元気と聞いて、ますます感心してしまった。本当の自由人とはこういうことだろうと思った。
(「凍」沢木耕太郎、新潮文庫)
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新世界より 貴志祐介

本書は期待通りの面白さだった。「進化した人類」が遭遇する未曾有の危機に立ち向かう主人公に感情移入してハラハラしながら読み進めてしまった。前半は、どことなく学園もの風なのだがすでにそこに暗い影が暗示されており、後半に至って一気に世界そのものが瓦解していくような危機が訪れる。しかも誰が敵で誰が見方なのか、どっちが善でどっちが悪なのかも、判然としなくなる。ストーリーの面白さと読み応えに久しぶりの充実感を覚えた。なお、刊行リストをみると彼の作品は10程度しかないが、そのうちの4作品が映画など映像化されている。内容が視覚化に適した作家というよりも、内容の面白さ、場面場面が目に浮かぶような描写のうまさがそうさせているのではないかと思われる。本書も、実際に映画化するとなったら大変そうだが、是非この世界を映像でも味わってみたいという気分にさせてくれる。(新世界より」貴志祐介、講談社)
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ジュディ・ガーランド 衣装 ハリウッド

ジュディ・ガーラントのコレクティブルはこれが2枚目(1枚目は2007年12月9日に紹介)だが、昨年いろいろ紹介した「ハリウッド・レジェンド」シリーズのものが入手できたので改めて紹介しておく。前回紹介したガーラントのコレクティブルは「アメリカンパイ」というシリーズで、野球カードの中に封入されていたものだが、本シリーズは「映画俳優」に焦点をあてたものでその種類も「アメリカンパイ」シリーズに比べて格段に多く、ラインアップも豪華になっている。現在、名女優オールタイムベスト10のうち6名のコレクティブルを入手できた。あと4名だが、全員のコレクティブルが世の中にあるかどうか確認できていないので、気長に集めていくこととしたい。
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トム・グラビン パッチ MLB

元アトランタ・ブレーブスのエース、トム・グラビンのパッチ(ユニフォームのエンブレム部分など)をあしらったコレクティブル。私の大リーガーのサイン・コレクションは、数としてはかなり集まったが、日本人選手以外は「どうしても欲しくて」集めているという感じではないので、こうした大選手のサインが未入手だったりする。そうした未入手の大選手の1人である。年間最多勝5回、通算勝利数305で、2007年までプレーをしていたのでまだ資格はないが、引退して5年経過して資格を得ればすぐにでも殿堂入りが確実な選手だ。20年に及ぶ現役生活ではすべてが先発登板だったそうで、ただの1度も救援投手になったことがないという非常に珍しい経歴の投手である。
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タイ・トライオン ウェア ゴルフ

米国のプロゴルファー、タイ・トライオンのウェアをあしらったコレクティブルである。少年時代から結構活躍し、名前がタイ・ト「ライオン」ということもあり、一時期「タイガー」・ウッズと対比されたりもしたが、結局全く活躍することなく消えてしまった選手である。現在ではどこで何をしているのかもほとんど情報がない。彼が注目されたのは彼が17歳の頃で、名前からタイガー・ウッズと比較されたりしたのが彼にとっては悲劇だった。今注目の石川遼選手は、まさに若い時のアーノルド・パーマーを彷彿とさせるプレーぶりだが、トライオンと同じ轍を踏まないよう、あまり大選手と比較しないでじっくり見守りたいものだ。
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