玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

著者の云いたいこと ―「法の番人」㈩ ―

2025-02-07 10:57:46 | 

典型的な新書であり、項数も230頁と寧ろ薄い本であったが、読み込むのに時間と手間がかかった。

一つに全く知らない司法の世界であったこと。もう一つは著者が事件名や該当者の具体名を避けて、殆どイニシャルで記したことである。

著者は司法の世界からの報復を恐れていた。それでも書いて置きたかった熱意は理解ができた。最後に、著者が強く言いたかったことを書かねばなるまい。

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先進国のほとんどは、国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」と「第二選択議定書」を批准し、死刑を廃止している。日本は前者については批准しているが後者は批准していない。アメリカは約半数の州が死刑を廃止している。

死刑を残し実際に執行しているのは、イスラム諸国、中国、北朝鮮、インド、シンガポールぐらいである。

この圀は、死刑の執行を当日に知らせ、親族に別れの面会の機会を与えない。死刑囚と家族に人権が無い。袴田さんの精神が病んだ原因が此処にあったのだろう。

憲法第36条「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対に此れを禁ずる」とある。

「公務員」とは司法関係職員、「拷問」とは人質司法、「残酷な刑罰」とは死刑執行日を教えず、死の恐怖を毎日与えることと理解する。

国家が「國体を守り、国民を守らなかった」のが戦前の此の國の姿であった。時に「公務員が国民を害することがある」のが、現在の此の圀の現状である。(終わり)


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