都議選結果で民主党は壊滅的な敗北となった。徹底的に敗北し、これから崩壊に向かうと云った方がよいかもしれない。東京都という地方自治体の議会活動において、民主党所属の都議会議員は何か決定的な失敗をしたのだろうか。もし、したとしたら、石原知事の尖閣諸島問題を第1党の責任として、都議会の問題にしなかったことぐらいだろう。なんで地方議員の選挙に各党の党首たちがこぞって来るんだろう。今となっては、東京都の民主党選挙本部は地方政治に徹し、国政を一切持ち込まない方がよかったのかも。まさに、東京都議会は衆議院、参議院の次の第3議院なのか、あるいは、参議院選挙のリトマス試験紙か?
日本は、自民党の一党支配が骨の髄まで染みついているようだ。長期の一党支配体制が常態化しているのは、近代化された先進国では大変珍しいそうだ。(シンガポールがそうらしい。)池上彰氏は「自民党は神様にあたるアメリカからお墨付きを与えられたので、その正当性によって、あれほどの長期政権が行われた」と考えているようだが。(『日本の1/2革命』集英社より)かくも鮮やかな自民党の復活を見ると、そういう考え方もちょっとあるのかもしれないと思ってしまう。しかし、共産党にも負けたという民主党のとてつもない敗けぶりを見ると、そこには裏切られた選挙民たちの恨みが凝縮され、それが<反民主党勢力>となっての怒り鉄槌のように感じられる。そして、また、選挙と言う匿名の政治行為の中での物言えぬ弱い者たちのさり気ない復讐劇と観ることもできる。
民主党のマニュフェストは、できないことを羅列し過ぎた。耳触りのよい言葉を並べ過ぎた。高速道路がタダになる!子ども手当!高校授業料の無料化!典型のバラマキ政策だ。「最低でも県外」だって!誰かの真似をして、わかり易いワン・フレーズが多過ぎた。最後は自分で作った言葉に自分の首を絞められた。自民党との政権交代を可能にする二大政党制はたった一度チャンスだったかもしれない。1年ごと3人の首相と彼らを取り巻く人たちの度重なる粗忽な行為によって、むしろ当然に、この結果が招かれた。