玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

憲法の前文

2013-07-26 15:22:40 | 憲法

中学とか高校のクラス会に行くと、先生という方が必ず来ることになっている。ただし、生きていらっしゃれば・・・。私はその先生という人たちと話したことがない。実は、ほとんど当時の記憶がないのだ。その先生に何かを習った、教えられたという経験もほとんどない。向こうも私の名前を覚えてないだろうし、こちらも同様で、顔すら覚えていない先生もいる。

ところが、一人だけ中学三年の時の担任だが、彼から教えてもらったことが二つあった。彼は社会の先生だった。まず、初めに、彼は黒板にこう書いた、「修身、斉家、治国、平天下」と。ずいぶん古めかしい人だなと思ったのが第1印象だ。そのうち、憲法の前文を暗記させられた。今でも、3段落のうちの1段目はほぼ正確に言うことができる。何故だか、それが、後の人生で役に立った。

憲法の前文が、就職試験や小論文試験で使えたのだ。民主主義の基本フレーズ(「そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」)を簡単に言うことができたのだ。それに、ちょっと高尚な漢字使い方が文章の手本になった。

「われらとわれらの子孫のために、・・・我が国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、・・・」の“恵沢”という響きがなんか荘重な感じがしたものだ。ところが、アメリカ合衆国憲法の前文の一節にも、「・・・われらとわれらの子孫の上に自由の恵沢を確保する・・・」とあった。そのうち、双方の英文で比較しようと思う。

最近故あって、他国の憲法を読んでみると、日本に比較して、フランス、イギリス、アメリカは前文が短かく、言葉も想像したほど格調が高くない。どうも、日本は難しい漢字を使うことが文章の格調を高めると考える人が多いのだろう。それとも、アメリカが日本に西洋の民主主義を徹底しようと考えたのだろうか。大日本帝国憲法の第1条には、「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とある。第4条、「天皇ハ國ノ元首ニシテ、統治権ヲ総覧シ、…」とある。敢えて、今更に、天皇を元首にもどすという自民党の先生たちは、いったい我々国民に何を教えてくれて、何を残してくれるつもりなのだろうか。

 タブの木

コメント (2)
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