玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

羊の宰相

2016-02-09 15:56:09 | 政治

昔々、楚の将軍の宗義は「猛き(たけき)こと虎の如く、很る(もとる)こと羊の如く、貪る(むさぼる)こと狼の如く」と言った。そして「強いしか能のない者は斬ってしまえ!」とも言った。

羊飼いの実感として、羊という動物は性質そのものがねじけて従順ではないらしい。ふと、思い当たった。彼の国の宰相の顔はどこか羊に似ていないか。外側は弱そうに見えるが、内側はなかなかしたたかでよこしまである。国会質疑で、野党議員は「あなたのような人のもとで、憲法は改正したくない」と云えば、「あなた方の党でも改正案を作ればいいじゃないか」と生徒会の規則を作るような軽さで答える。その恍けた顔に「今の憲法より、良い憲法を造るなら、みんな賛成だよ」と言ってやりたい。

羊の宰相はどこかがねじけている。その内面は長州藩の招魂思想に囚われた偏頗な考え方のようだ。昨日は、文化人たちでつくった「九条の会」が、「9条の意義を正面から否定する考えの持ち主」と批判した。他方、その人に職を世話された日銀総裁や委員たちは相変わらず佞人行動を繰り返す。この国の中心から、どこかが狂って来たのかもしれない。史記では、云いたいことを言っていた宗義は、朝早く挨拶に来た項羽に頭から刀を振り落されてその命を終わった。(『史記』項羽本紀より)

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