首相夫人は法的に位置づけられた公人ではないが、そこらに暮らす私人ではないでしょう。一人の私人に2~5人の公務員が付くのだから。その公務員の一人が勝手に国家機関に問い合わせたが、ゼロ回答だから、口利きではないと平気で言う人間。誰が信じるかな。その厚顔ぶりには厭きれるばかりだ。
予算委員会の首相の傲慢な態度に嫌悪を感じた人々もいただろう。まるで嘘付き少年のように、必死に黒を白と言い放つだけ。相手が納得しようがしまいが全く無視していた。こんな人間が一国の首相だったとは正直驚いた。やがて、国民には軽蔑の感情が生まれるだろう。
この人物はちょっと礼節や正義が欠けている。だが『教育勅語』が好きなようである。どうもよく解からない、変な人だ。この首相の祖父岸信介は、戦前は満州国官僚で、天皇の名に於いて勝手気ままに行動してきた東條英機ら陸軍参謀達と手に手を携えて満州国を支配していた。両者ともに大日本帝国の恩恵に浴してきた人々の一群であった。その時の栄華が忘れられない一族の末裔と見た。
だから、『教育勅語』の「朕おもうに、…、我臣民…、…朕、爾臣民とともに…」となっていても、自分達は当然に臣民の中で上層階級になり、自分の意の儘に天皇や國家を動かすから、臣民でも何の問題もないのだろう。
今の極東情勢は一触即発の危機的事態で、こんな良い加減な首相が最高権力者だとは、ちょっと恐しい事態だと言わなければならない。今まで、厚顔無恥型の菅官房長官が傲慢政権の方向を決めていると勘違いしていた。今回の一件で、首相本人がまさに暴走型の急先鋒だった。戦前の陸軍官僚のように「一撃論」で籠池氏も野党も腰くだけになるという楽観論を持っていたようだ。だが、ただ自分に甘い人間だね。そんな人間に、この難しい時期に、この国を任せられるのかな、甚だ疑問だ。そろそろ政権の賞味期間が過ぎたのかな…。