「結婚した方が良い」と言うヤジは、政策的な意図など全くなく、ただ若くてきれいな女性議員に対して、投げつけた性的なからかいにほかならない。それを議会と言う公的な場で行った訳である。と言うことは、議員自らが議会を侮辱したことになるのだが、議会と都民に対する真摯な謝罪と然るべき責任の取り方がなかった。不思議なことに、議長から都民への謝罪もなかった。
想像してみよう。会社での重要な会議で、女性社員が発言をしているときに、やにわに、他の男性社員が「君は結婚しろ」、「帰って子供を産め」と言ったらどうなるだろう。多分、その女性に謝罪しただけでは済まない。下手をすれば、左遷されるかもしれない。
ただ、悲しいというか、呆れてしまうことは、彼らの一番大事な議会活動である筈なのに、一部の不心得者たちは、つまらない議員質問を聞くより、女性をからかいたいという欲望を優先させたことである。はっきり言って、そういう輩は都民を代表する議員の資格はないので、辞職した方が良いだろう。そうはいっても、議員にも妻や子供いるので、辞職は可哀想と思ってしまうが、実は根は深いのではないか。議会は、通常の社会より厳しいものでなければならない。この程度の人間のあつまりなら、地方議員なんていらないと思う。人の意見を聞かないばかりか、傲慢で退屈で性悪な議員はもういらない。今回のマスコミの過剰反応は、日本の議会全般への警鐘となるだろう。
念のため、地方自治法を引いておく。『第9章紀律』第129条「(略)議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、または発言を取り消させ…(略)」第132条「(略)議員は、無礼の言葉を使用し、または他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」
最大会派と言っていたのに「民主党議員」から今頃発言の名乗りがあった。これで単に最大会派だけというわけではないだろうし、『みんなの党」の『野次』も議会中継というデータの中から出てきてもおかしくないだろう。YVではただ一人金美麗氏が、原稿棒読みの塩村議員の姿勢を批判していたのが救いだった。メディアの歪みを見抜けるかどうかに懸かっている。