私は不眠症で寝る前は必ず本を読む癖がある。時に興奮して余計に眠れないことがあるが、それ程の名著に遭遇することは稀だ。
だいたい読むのは新書か文庫本が多い。それは持ちやすいからで、途中で眠って顔に落としても痛くない軽さだからである。
言葉の由来を書いた岩波新書を読んでいたが、読めども読めども期待した内容ではなかった。一応最後まで読んで、腹立ち紛れに奥付きの上の著者紹介を読んで、「やっぱり、東大か!」と思った。もっとも岩波書店は東大の学者の本が圧倒的多いのだ。
ふと、もう一枚めくってみたら、そこに小さな活字で「巻末の挨拶」があった。それを何気なく読んだ。最初の一行が気になった。
「日本軍部は日中戦争の全面化を強行し、国際社会の指弾を招いた。」と、そして数行過ぎて「戦争は惨憺たる犠牲を伴って終わり」と先の戦争を括っていた。
書かれた年が1988年1月だった。
文章全体が奇妙な感じがした。日本を代表する書店の「戦争に関わる認識」として、何故かしっくりしないものを感じた。
1989年1月には昭和天皇の崩御があった。そう考えると眠れなくなる。書棚に行って、あらゆる岩波新書を漁った。そこで分かったことは、岩波新書の「巻末挨拶」は刊行以来、その時々の時代認識を踏まえて書き換えられていることが判った、…。
今年は、何故だか猫じゃらしが密生している。気候の変動???
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