DI NEBBIOLO DA BAROLO

2014-01-09 00:44:57 | お酒
数年前、イタ飯屋でその存在を知ったグラッパ。
注文する時受けたお店のお姉さんの説明では、ぶどうの搾りかすを原料に蒸留した酒らしい。
ブランデーの一種。
なのでアルコール度数はウイスキーと同程度だった。
ストレートで飲んだ。
初めての味わいで美味しく気に入ったので、スーパーなんかのお酒売り場に売っていないかと、思い出す度にいろんなところで探してみたが見つからない。
専門店に行けば手に入ったのだろうけどそこまでは気が向かず、今に至る。



それがとうとう陳列棚に並んでいるのを見つけた。
おー、やった、…けどなんだこの値段は。
グラッパ全てがそうではないと思うが、そいつはスコッチのシングルモルトの年代物が買える値段だった。
バローロなんて名がついてるからか。
その上購入を躊躇わせる情報が。
壜の裏に貼られたシールに製菓材料用と書かれていた。
ってことは甘いのだろうか。
イタ飯屋で飲んだものとは違うタイプの可能性がある。
だったらやだなあ。
価格と不安の問題からしばらく買えずにいたが、お正月に飲む酒として昨年末思い切って買ってみた。



お正月、実家に持って帰り封を開けると、昔イタ飯屋で飲んだのと同じ味わいだったのでホッとした。
そうそう、こんなだった。
イタ飯屋のは無色透明だったが、これは薄く琥珀色。
香りも味もぶどうの皮のエキスが濃縮されている感じ。
ぶどうの実(皮の中身)は甘く瑞々しいが、ぶどうの皮は渋味というかエグ味というか、口当たりの悪い成分を含んでいる。
これらの成分の匂いを嗅いだことはないが、抽出すればこんななんだろうかという香りである。
こう書くと嫌な匂いの様だがそんな事はない。
皮には中身には無い旨味成分もあるはず。
皮と身の間にこそ旨味があるとよく言うではないか。
強いアルコールが鼻腔を刺激するのはウイスキーやバーボンと同じだが、穀類の豊かな甘味からくる香りとは違う、果物のするりと痩せた香りと言えばいいのだろうか。
グラッパの香りについてワインの様に表現されたものを読んだことがないので、私の乏しい表現力ではこの程度がいっぱいいっぱい。



味の方も辛口で、トロリとした液体の中に甘味を探し飲む感じ。
舌の奥の方をガシッと鷲掴みされる。
豊富な糖分を発酵させたのではなく、乏しい糖分を集めに集めてアルコールに換えていると思われ、それ故その他成分も濃くなり凝縮感が強いのかも。
ウイスキー以外のハードリカーにはジンやウォッカがあるが、それ自体を味わうよりもカクテルに使用するイメージがある。
その酒自身をストレートで味わえる酒を新たに見つけた。
も少し安いグラッパを探してみねば。