退院して4日目。
薬のおかげで、湿疹もすっかり消える。ただ1日二回飲む薬が強いのか、睡魔に誘われて、昼寝してばかり。こんなに寝ていていいのだろうか。
退院した当初は、点滴&病院食で5ポンドも体重が増えてしまったが、やっと元に戻ってすっきり(笑)。
あとの心配は、病院からの請求書だ。オットは2000ドルくらい(保険でカバーされた後)の実費を見積もっているが、どうなろうのだろう。
今私が加入しているのは、Uniform Medical Planという大学を通しての保険。毎月の個人負担金がかなり低額なので、この保険によっていくらくらい救急車、入院費用、検査代などがカバーされるか心配だ。ただ個人の最高の自己負担額が2000ドルという上限があるので少し安心。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アメリカの医療保険制度は本当にややこしい。たとえばこういう具合。
3週間前に、婦人定期検診の予約をとるために、Uniform Medical Planでカバーされる医者をコミュニティーで探す。「うちのお医者さんだったら大丈夫ですよ」といわれ、予約をとったが、診療後、「あなたの保険は、Blue Cross Blue Shieldじゃないの、うちでは効きませんよ」と文句を看護婦さんから言われる。このUniform Medical PlanとBlue Cross Blue Shieldは提携を結んでいるらしく、このお医者さんではBlue Cross Blue Shield関係だと保険が効かないという制約があるらしい。しかし予約をとる時に、わざわざ「私の保険は、Uniform Medical Planですが、Blue Cross Blue Shieldの保険もカバーされるみたいですが」なんていう必要はないと思ったし、結局別のお医者さんを紹介されることになった。時間の無駄だったが、もっと心配なのが、最初のお医者さんからの実費請求書が送られてくるかもしれないということ。
乳がん検診の予約を大手病院にいれるが、あらかじめ保険会社に「ちゃんとこの病院での検査代カバーされますよね」と電話を入れておく。その時におしえてもらったのは、検査が行われる病院だけでなく、そのX線の写真を読む技師が、どこの保険でカバーされるのかもちゃんと確認しておかなければだめよ、ということ。
医療保険制度が分業化、複雑化しているのは、患者(一般人)の精神衛生にもよくない。アメリカはただでさえ、医療費が高額だ。もし保険会社が支払いを拒否すると、自己負担額は莫大な金額になる。
息子が5歳になった時、ある有名な大学病院で、自閉症であるかどうかの総合的な診断をしてもらうことになった。半日かけていろいろなテストが行われ、MRIで脳の検査もする。全て検査が終わった時、保険会社は支払いを拒否し(いまだに理由は良く分からない)、私たちはパニックになってしまったが、検査の総責任のお医者さんが、何も請求しないようにはからってくださった。イギリス出身のこのお医者さんは、アメリカの医療制度の落とし穴をよく理解し、私たちが1セントも支払わないように配慮してくださった。その時の感激の気持ちはいまだに忘れられない。
もう少し一般市民の人たちの負担を少なくする医療制度へと変わってくれないものだろうか。国民皆保険で全てうまくいくとは思わないが、間に入る保険会社に儲けさせないような単純化した医療制度が求められているのではないか。