今回の阿修羅展で、阿修羅を除く「八部衆立像」も公開されていました。
阿修羅と同様にすごく印象に残ったので、載せたいと思います。
「八部衆」は、仏教を守護する「天」で、『金光明最勝王教』や『法華経』などにその名が出てくる。いずれももとはインドの神で、仏教に取り入れられてその守護神となった。
沙羯羅(さから) 乾闥婆(けんだつば) 緊那羅(きんなら)
畢婆迦羅(ひばから) 鳩槃荼(くばんだ) 迦楼羅(かるら)
五部浄(ごぶじょう)
沙羯羅(さから)・・・あどけない表情が魅力的。蛇を頭から上半身に巻きつけている。
乾闥婆(けんだつば)・・・八部衆の中で唯一目をつぶっていて、獅子の冠をかぶっている。
緊那羅(きんなら)・・・頭に角があり、眉間の間に第三の目がある。
畢婆迦羅(ひばから)・・・ヒゲを生やしダンディでシブい
鳩槃荼(くばんだ)・・・怒りのために髪の毛が総毛立った「炎髪」で、口を開け、目がぎょろっと飛び出る恐い顔!
迦楼羅(かるら)・・・鳥人間。他の八部衆と違って、なぜか横向き。
五部浄(ごぶじょう)・・・頭に像の冠をかぶったこの仏像は胸までしかない。火災から救出される時に、壊れたと考えられる。 今回、東京国立博物館所蔵の五部浄の右腕が公開されている。中が空洞なのだということがよく分かる。
興福寺の八部衆や十大弟子はすべて「脱活乾漆造」(だつかつかんしつづくり)という奈良時代特有の仏像制作の技法で作られている。
粘土で作った原型に、麻布を漆で貼り重ねた後、中の粘土を取り除いて、心木を入れ、木屑などを混ぜ合わせた木屎漆で表面を調整してから、彩色や箔で仕上げるという技法。
中は空洞なのでとても軽いそうです。ですから火災などにあっても運び出して、1300年も守り通してきたんですね。
八部衆の仏像もケース無しで、360度見ることができました。
1300年前に作られた仏像達が目の前にいるということに、大感動でした。