よし坊のあっちこっち

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映画三昧 -初めてのキスシーン

2009年02月15日 | 映画
初めてのキスシーンは確か、「武器よさらば」だったろうか。更に言うと、これが初めての洋画かも知れぬ。

阿佐ヶ谷駅の北側に、当時洋画専門のオデオン座があった。線路と言うか駅の直ぐ脇にあったから、電車や駅からよく見えた。
昔の阿佐ヶ谷界隈は、青梅街道からすずらん通りを駅に向かっていくと、途中、左に東宝、少し行って右に松竹、その裏に大映があった。駅の踏切を越して左に歩いていくとオデオン座だ。ここで観たということは、小学5年くらいだろう。

当時は未だ、映画の原作がヘミングウエーなんて知らないわけで、ロック・ハドソンの兵隊が、ジェニファー・ジョーンズの看護婦と恋に落ち、看護婦の死とともに、ハドソンが去っていくシーンで終わるのだが、よし坊はここで、アメリカ人達のキスの不意打ちを喰らうのだ。

今時、何処かしこもキス、キス、キスで、口づけが半死語、接吻なんて言葉はもう死語だろう。しかし、あの頃は、キスなんて言葉はなじまない、どこか遠い言葉だった。新聞雑誌小説の類は、口づけか接吻だ。あの、「また逢う日まで」の岡田英次と久我美子のガラス越しのキスは、「ガラス越しの接吻」でなければいけない。大安売りの「キス」では軽すぎるのだ。

さて、不意打ちを喰らった「武器よさらば」の最後近くのシーン、息を引取りベッドに横たわる彼女に最後のキスをする、あのシーンだ。このシーンは映画の流れから行って、不意打ちではなかった。ゆっくりとスローモーションのようにハドソンの口が近づく。間違いなく場面を観ているのだが、頭の中は観るべきか目をつむるめきかで葛藤していた。そんな、ドキドキしてしまった映画なのである。