西部劇数多くあれど、やはり、「ハイ・ヌーン」は味のある映画だ。あー、これがモナコ王妃となった、グレース・ケリーか等と見とれていた記憶があるが、映画の方は中々の力作だと言える。
まず、勧善懲悪物の、滅法強い保安官と悪いならず者的な話ではないところが良い。悪い奴は法の正義に照らして懲らしめるのは当然なのだが、この保安官、自分の味方をするはずの保安官助手なんかが恐れを為して逃げ、誰も味方がいなくなってしまい、法の正義の下に悪をやっつけるわけにはいかなくなった。しかし、逃げるわけにはいかず、ヨレヨレになりながら何とか悪を倒し、町を去っていく。このゲーリー・クーパーのヨレヨレがいい。最後は、法の正義の為ではなく、自らの正義の為に自分を奮い立たせたのだろう。あれだけ加勢することに反対していた町の連中も、保安官が勝ったとなると、ヒーローの下に擦り寄ってくる。それを一瞥して町を去る保安官。自分達のことは自分達で守れと背中が言っている。アメリカそのものである。
まず、勧善懲悪物の、滅法強い保安官と悪いならず者的な話ではないところが良い。悪い奴は法の正義に照らして懲らしめるのは当然なのだが、この保安官、自分の味方をするはずの保安官助手なんかが恐れを為して逃げ、誰も味方がいなくなってしまい、法の正義の下に悪をやっつけるわけにはいかなくなった。しかし、逃げるわけにはいかず、ヨレヨレになりながら何とか悪を倒し、町を去っていく。このゲーリー・クーパーのヨレヨレがいい。最後は、法の正義の為ではなく、自らの正義の為に自分を奮い立たせたのだろう。あれだけ加勢することに反対していた町の連中も、保安官が勝ったとなると、ヒーローの下に擦り寄ってくる。それを一瞥して町を去る保安官。自分達のことは自分達で守れと背中が言っている。アメリカそのものである。