よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

草食系国家

2010年06月22日 | ビジネス横丁こぼれ話
この数年来、「草食系男子」という言葉が言いはやされている。その一般的定義によると「優しく、ガツガツしない、傷つけられたり傷つけたりしたくない」傾向を持つ男子のことを指すのだという。

この草食系という概念は、目新しいものではなく、そっくりそのまま過去から現在までの日本及び日本人に当てはまるのである。昔から日本及び日本人に冠せられてきた特徴とは、「優しくおとなしい。日本人は決してガツガツしない。日本人は、議論で勝った負けを好まないので、そういうことには参加せず、黙ってみている」。こういう日本人が昔から今の日本を形作ってきたし、今も続いている。敢えて今頃「草食系」と言わなくても、日本そのものが、元々草食系国家なのである。
何故、草食系国家なのかというと、やはり、島国文化が影響している。四方に他国とのボーダーを持たない内輪向きの文化国家として、草食系の定義そのままで世界の中で生きてきた。島国故に、他国と国境を接する緊張感に悩まされることも無く、ひたすら限られた土地を耕し、それを皆で分かち合う、美しい(?)優しい農耕民族なのである。

さて、世の中、グローバル展開が進み、島の中だけを耕しているわけには行かなくなったのが、昨今である。海を渡り、肉食系国家や肉食系人種と渡り合わなくてはならないのだが、草食系の特徴に加えて、言葉の問題や、異国の地で根を生やして戦うという心構えが無いから、肉食系と戦うと相当分が悪くなる。常に貪欲に獲物を追い求める肉食系国家。アメリカは言うに及ばず。中国しかり、韓国もまた肉食系国家である。

草食系国家からの転換を計らないと、海外での肉食系国家との勝負にはなかなか勝てなくなるのだが、草食系男子増殖の故か、最近の若者が、内向き志向を一段と強め、海外に関心を示さないと言うのは、憂慮すべき事態なのである。 遅ればせながら、20-30年後を見据えた「肉食系国家」への転換というグランド・デザインを国と産業界が一丸となって作るくらいの腹を決めないと、島国国家は立ち行かなくなるのではないか。

さて、肉食系男子をどうやって育てるか。もちろん難しい問題だ。しかし、基本は産業界を巻き込んだ国家プロジェクト。例えば18歳-25歳の間の2年間、希望者には海外のどこかに放り出す、修了者には有利な就職インセンティブが付与される、等というのはどうだろう。荒唐無稽に思うかも知れぬが、これくらいのことを考えないといけない時期に来ていると思うのだが。