たまにテレビのドラマで、南西諸島のどこか、例えば波照間や竹富島が舞台となって、透き通った海や南国の風景を映し出し、ちょっぴり不便さを織り込みながらヒューマンドラマをアピールする。本土の人間、都会育ちにとっては、何とも魅力的な地域に映るが、所詮そこまでだ。沖縄諸島も含め、それらの島々について殆ど何も知らないし、知ろうともしないのが現実だろう。
映画にもなった「死の棘」の小説家、島尾敏雄の著書に「琉球弧の視点から」という読み物がある。奄美から最西端にある八重山諸島までを「琉球弧」と言う塊の視点で捉え、それらを称してヤポネシアという造語概念を与えている。奄美や沖縄を中心に、それらの風景の断片を我々に提供しながら、遥か昔から置き去りにされてきた琉球弧の歴史的価値と重要性を垣間見せてくれる。この本を読むと、地球儀の上で、琉球弧全体が確固たる存在感を示してくれるから不思議だ。かつて、海洋文化圏を形成し、台湾、フィリピンや中国と謂わば国際的交流の最先端を担っていた存在である事がよく分かる。
このような、独特の存在価値を持ちながら、限りなく長い間、中央政治からのアテンションは低く、これからもそれは続きそうだ。その、琉球弧の中心的存在は、紛れも無く沖縄だが、脚光を浴びたのは、戦後のアメリカからの返還であり、その後は単発的に起こる米軍兵士の不祥事騒動くらいで、本土4島から見れば、それらも一瞬にして遠い出来事になってしまう。
その沖縄は、全てが基地問題に繋がる。経済を支えているのも基地であり、問題を起こすのも基地である。基地が無くなっても困るが、目の前の問題は解決したい、そのジレンマが沖縄にはある。その為に、相当な時間と水面下での交渉を経て辺野古移設を固めたにも関わらず、その長年の努力を一瞬にして葬り去ったハトヤマの罪は相当重いと言わざるを得ない。当分の間、普天間は動かす事が出来なくなっただけでなく、日米同盟の信頼をぶち壊した首相としてその名を留めること間違いなしである。
沖縄の人と話すと分かる。本土の人とアメリカ人とどちらが好きか、と質問すると”アメリカ人”と答える方が多いのではないか。彼等は、沖縄戦で何が起こったのか、を知っている。私の知り合いは、若いときから、おばあちゃんにこう言われていたそうである。「絶対本土の人とは結婚するな」。彼の奥さんは、やはり沖縄の人であった。本土の裏切りに対する嫌悪感は世代に受け継がれているのだと思う。当然の事だ。
政治が沖縄に関わる時、この心情を無視しては駄目だ。パズルを当てはめる様な、画一的なやり方では到底上手くいかない。今のボンクラ政治家達に、島尾敏雄の本を読め、と言いたくなる。
映画にもなった「死の棘」の小説家、島尾敏雄の著書に「琉球弧の視点から」という読み物がある。奄美から最西端にある八重山諸島までを「琉球弧」と言う塊の視点で捉え、それらを称してヤポネシアという造語概念を与えている。奄美や沖縄を中心に、それらの風景の断片を我々に提供しながら、遥か昔から置き去りにされてきた琉球弧の歴史的価値と重要性を垣間見せてくれる。この本を読むと、地球儀の上で、琉球弧全体が確固たる存在感を示してくれるから不思議だ。かつて、海洋文化圏を形成し、台湾、フィリピンや中国と謂わば国際的交流の最先端を担っていた存在である事がよく分かる。
このような、独特の存在価値を持ちながら、限りなく長い間、中央政治からのアテンションは低く、これからもそれは続きそうだ。その、琉球弧の中心的存在は、紛れも無く沖縄だが、脚光を浴びたのは、戦後のアメリカからの返還であり、その後は単発的に起こる米軍兵士の不祥事騒動くらいで、本土4島から見れば、それらも一瞬にして遠い出来事になってしまう。
その沖縄は、全てが基地問題に繋がる。経済を支えているのも基地であり、問題を起こすのも基地である。基地が無くなっても困るが、目の前の問題は解決したい、そのジレンマが沖縄にはある。その為に、相当な時間と水面下での交渉を経て辺野古移設を固めたにも関わらず、その長年の努力を一瞬にして葬り去ったハトヤマの罪は相当重いと言わざるを得ない。当分の間、普天間は動かす事が出来なくなっただけでなく、日米同盟の信頼をぶち壊した首相としてその名を留めること間違いなしである。
沖縄の人と話すと分かる。本土の人とアメリカ人とどちらが好きか、と質問すると”アメリカ人”と答える方が多いのではないか。彼等は、沖縄戦で何が起こったのか、を知っている。私の知り合いは、若いときから、おばあちゃんにこう言われていたそうである。「絶対本土の人とは結婚するな」。彼の奥さんは、やはり沖縄の人であった。本土の裏切りに対する嫌悪感は世代に受け継がれているのだと思う。当然の事だ。
政治が沖縄に関わる時、この心情を無視しては駄目だ。パズルを当てはめる様な、画一的なやり方では到底上手くいかない。今のボンクラ政治家達に、島尾敏雄の本を読め、と言いたくなる。