よし坊のあっちこっち

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大雪だ

2011年01月10日 | アメリカ通信
南部にしては久しぶりの大雪となった。積雪6インチ(15センチ)はアトランタにとっては、「大雪」なのである。昨晩からハイウエイのあっちこっちで通行止めがあり、今朝はさすがに殆どの道路が無人ならぬ、無車である。

昔の苦い思い出がある。アメリカに来て間もない頃、まさか南部では雪は降らないだろうという先入観があった所に大雪が来た。そして企業戦士としてのよし坊の戦いは始まった。

大雪の前日、オフィスでは翌日の雪予報で、アメリカ人がざわついていた。日本人には何故雪の予報くらいでざわつくのか訳が分からない。総務のおばちゃんに聞いたら、明日は恐らく皆出勤できないだろうから、「雪で危険な状態であれば休みにしてよい」旨の通達を出した方がよいと言うので、まず通達を出した。話していると、皆帰りがけにウォルマートに寄って、暖炉の薪やら、水、懐中電灯の電池など、緊急品を買うのだと言う。アメリカ人はちょっと大袈裟だな、そんな思いだった。

夕方家に帰り、テレビをつけると、雪に関するニュースとスーパーで人が買出しをしている場面ばかりが写されていて、よし坊も何やらただ事では無いと感じ始めた。直ぐ頭に浮かんだのは、タイヤのスノーチェーンだ。日本にいる時は常備していたから、これを手に入れねばと思い、近くのウォルマートに電話しチェーンが有るか聞いた所、品切れと言う。え、もう品切れ?これはとんでもない事になりそうだと直感、あっちこっちに電話したが、どこにも無い。返ってくる言葉はSold out。

翌朝、外は銀世界となった。企業戦士よし坊は、いざ出陣である。家の前は坂道だ。チェーンが無い不安さを抱えつつ、ガレージから車を移動し、前の道まで出た。そこまでは良かったが、前進しようにもタイヤが空回りして動かない。前の家では、旦那と子供が雪で遊んでいる。孤軍奮闘していると、旦那が気付いて近付いてきた。後ろから押してあげようと言うのでお願いしたが、結局駄目だった。そして次の会話となった。

「ところで、何処へ行こうとしてるんだ」
「会社に決まっているだろう。ところでアンタは会社には行かないのか」
「雪の日に会社に行くバカはいないぜ。事故ったら大損こくだけだ」
よし坊の挑戦空しく、出勤を断念した。

翌日のオフィスでのアメリカ人との会話。

「どこもチェーンは売り切れだった。さすがアメリカ人は買うのが早いな」
「それは売り切れではなくて、置いていないってことさ。南部でチェーンなど巻かないから、売っちゃいないぜ」

This is America.