よし坊のあっちこっち

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危惧していた事だが、、、中国大使

2012年06月11日 | いろいろ
あの元鈍カン首相がサプライズの心算で任命したのだろうが、商社建て直しで知名度を上げた著名ビジネスマン氏を事もあろうに、中国駐在の日本国大使に任命した時は、そのうち舌禍が起こらなければ、と秘かに危惧していた。が、とうとうやってしまった。

およそ、問題の発言は、外交の前線にいる外交官のものではなく、間違いなくビジネスマンとしてのバックグランドからの発言に思えてならない。そこには、国体維持というよりも、商売優先の想いが強く反映されているようだ。

そもそも、日本にとって極めて重要な意味を持つ中国に、職業外交官ではなく、単に経済活動、即ち商売で中国市場に大きな力、シェアを築きあげた有名商社の社長会長歴任者を任命したところに最初の間違いがあり、これは、任命者の責任が大なのは明白だ。

民間からの大使任命が悪いとは言わない。日本に限らずそんな例はある。さしたる問題もなく、ただただ友好を維持すれば事足りる相手であれば民間出身も良いだろう。カリブ海に浮かぶバハマの駐日バハマ大使は名優シドニー・ポアティエである。常駐はしていないが、必要なときには天皇に接見する。しかし、中国は近年にますます難題をふっかけてくる、世界の問題児である。相手の国を考えろ、と言う事だ。

中国進出企業は、人質の側面がある。尖閣がらみで、フジタの社員が受けた仕打ちは記憶に新しい。現中国大使の出身商社も同じ事。中国からのあからさまなプレシャーがこの商社に有るのか無いのか。有ってもおかしくない。仮に有ったとして、そのプレシャーに対し、あのような発言で緩和を意図する事は、シナリオとしては考えられる話だ。経団連が中国大使の発言は不適切、と談話を発表したが、本音は経済活動において中国から圧力をかけられたら相当困るのである。

昨年だったか、ロシア駐在の大使がロシア大統領の北方領土視察予定をモニター出来なかったことで、政府は忘れた頃のこの大使を更迭したのだが、その時でも政府はこの大使に事情を聞くために一時帰国させている。今回の中国大使の発言は、うっかり騒動ではなく、確信的積極発言なので、外務大臣の電話での厳重注意では済まされないレベルだろう。即刻一時帰国させた上での厳重注意を何故しなかったのか。中国に対するメッセージの意味がまるで違ってくるからだ。

どんなに功績のあった人でも、思わぬところで晩節を汚す。やはり、人間、名誉には腰がふらつくのかも知れない。