よし坊のあっちこっち

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サッカーUSA(3) クリンズマンの見たアメリカの特異性

2013年07月23日 | サッカー
アメリカの世界ランキングは概ね20位台から30位台をウロウロしている。日本が30位台から40位台の実力だから、アメリカはちょっとだけ日本より上ということになる。とどのつまり、似たり寄ったりである。なかなか、世界の舞台でインパクトを与えるところまで行かない。この辺がFIFAが苛立つところである。

アメリカサッカー界が、そしてクリンズマンが目指そうとしているのは、世界ランキングで言えば、トップ10、ワールドカップで言えば8強、さらには、4強の一画として準決勝の常連になることだろう。もちろん容易いことではない。そこをあえてクリンズマンは挑戦しようとしている。さて、どこから手をつけるのか。

長くアメリカに住み、地元のクラブやスポーツ界と接触しながらクリンズマンは基点となるアメリカの特異性を見出している。一言でいうと「文化の違い」である。アメリカ人は、他人が創造したものへの反応は極めて鈍く、あまり興味を示さない。他人任せが嫌いだから、自分でやらないと気がすまない。他人が手を付け世界に広まったものには目をくれないのだ。そう考えると、プロ野球やプロバスケットが盛んなのがよく理解出来る。そしてアメリカン・フットボール。大英帝国からの独立を勝ち取ったアメリカにしてみたら、ヨーロッパから来たサッカーには最初から拒否反応があったのかもしれない。

この特異性をベースにスポーツ大国アメリカは発展してきた。従ってサッカーも当然その影響を受けている。3大メジャースポーツと言われるアメフト、野球、バスケ共シーズンは約半年。あとの半年ゃ寝て暮らす、というわけだ。アメリカのメジャーリーグサッカーは半年よりは長く、8ヶ月だが、ヨーロッパの10ヶ月と比べれば2ヶ月も短い。更に、シーズン期間がアメリカとそれ以外の世界では全く異なる。FIFAは世界標準とも言える8月ー5月のシーズンを再三要求しているが、アメリカは3月ー10月の線を崩そうとはしない。FIFAにとってはカチンとくるアメリカ人の自己中心主義なのである。

クリンズマンは、この基点となるアメリカの特異性をまず理解し、その上でアメリカのサッカーをどの方向に導いていこうか模索しているようだ。