先週は残念なニュースを、そして今週はちょっと和むニュースを聞いた。メキシコサッカーの話だ。
2010年のWカップ南ア大会を目指してメキシコ代表チームでは粋のよい若者達が躍動していた。チチャリート・エルナンデスが、ジオ・ドス・サントスが、そしてカルロス・ベラ。
プレミアリーグの強豪アーセナルに射止められたベラだが、中々出番が無かったり、そのうち英国での労働ビザの関係でローンで外に出されたりで決して順調ではなかった。そして2010年のWカップ。始まって直ぐに怪我に見舞われた。更に不幸が襲う。メキシコで行われたコロンビア戦の後で、所謂羽目を外したパーティに参加したかどで他の同僚共々厳しい処分を食らってしまった。その後のメディアのバッシングや協会及びその役員連中との確執が尾を引いて、彼は以後の代表招集を断り続けた。
一方、プロフェショナルとしてのキャリアは2012年スペインリーグのレアル・ソシエダードへ完全移籍してから花が開いた。一挙に弾けたようにゴールを連発し始めたのだ。そしてWカップを目前にした今、当時の確執には無関係な新監督は再び彼を戦列に加えようと説得したのだが、”自分は今回のWカップ出場権をかけた試合には一度も参戦していない。その自分が晴れの舞台のWカップだけに出るというのは筋が通らない。汗水流して努力した選手の一人を追い出すわけにはいかない”と辞退したのだ。サッカー選手にとってのWカップは国を背負って立つ最高の舞台だ。勝つことが至上命令とすれば新監督もこの逸材を放っておけない。本人ベラも本音は出たかったはずである。しかし、協会の対応が恐らくベラの不信感を払拭出来なかったのだろう。この夏、彼の雄姿を見る事が出来ないのは誠に、誠に残念である。現在彼はスペインのパスポートも所持しているとのことだから、恐らくメキシコと決別するのかもしれない。
かつてバルサのディフェンスとしてならしたマルケス。2010年にNYレッド・ブルズに移り、2012年に故郷メキシコのチームへ戻って以来、国際舞台から消えていた。そのマルケスが突然姿を現したのが、昨年、Wカップ北中米地区での戦いの最中、出場切符が今にも手からこぼれ落ちそうな、正に瀬戸際の時であった。34歳のベテランが先発に起用されたのだ。キャプテンマーカーを付けたマルケスのチームが勝利し、カンフル剤としての役割を果たし、以後の試合にも出場、切符をものにした。自信喪失で浮き足立ったチーム全体をまとめ、ピンチには落ち着かせる技量が活きたのだと思う。彼がWカップのロースターに選ばれるか今のところは分からないが、是非選ばれて欲しい選手だ。
世界のあっちこっちで35歳前後の、所謂ベテラン選手達がいまだに活躍している。日本も弱体のディフェンスラインあたりは、たまにはベテランを投入するくらいの肝っ玉が欲しいところだ。日本はこういうところは非常に排他的だ。もっと言えば、最後の15分にFWにカズを投入したら相当面白い。
2010年のWカップ南ア大会を目指してメキシコ代表チームでは粋のよい若者達が躍動していた。チチャリート・エルナンデスが、ジオ・ドス・サントスが、そしてカルロス・ベラ。
プレミアリーグの強豪アーセナルに射止められたベラだが、中々出番が無かったり、そのうち英国での労働ビザの関係でローンで外に出されたりで決して順調ではなかった。そして2010年のWカップ。始まって直ぐに怪我に見舞われた。更に不幸が襲う。メキシコで行われたコロンビア戦の後で、所謂羽目を外したパーティに参加したかどで他の同僚共々厳しい処分を食らってしまった。その後のメディアのバッシングや協会及びその役員連中との確執が尾を引いて、彼は以後の代表招集を断り続けた。
一方、プロフェショナルとしてのキャリアは2012年スペインリーグのレアル・ソシエダードへ完全移籍してから花が開いた。一挙に弾けたようにゴールを連発し始めたのだ。そしてWカップを目前にした今、当時の確執には無関係な新監督は再び彼を戦列に加えようと説得したのだが、”自分は今回のWカップ出場権をかけた試合には一度も参戦していない。その自分が晴れの舞台のWカップだけに出るというのは筋が通らない。汗水流して努力した選手の一人を追い出すわけにはいかない”と辞退したのだ。サッカー選手にとってのWカップは国を背負って立つ最高の舞台だ。勝つことが至上命令とすれば新監督もこの逸材を放っておけない。本人ベラも本音は出たかったはずである。しかし、協会の対応が恐らくベラの不信感を払拭出来なかったのだろう。この夏、彼の雄姿を見る事が出来ないのは誠に、誠に残念である。現在彼はスペインのパスポートも所持しているとのことだから、恐らくメキシコと決別するのかもしれない。
かつてバルサのディフェンスとしてならしたマルケス。2010年にNYレッド・ブルズに移り、2012年に故郷メキシコのチームへ戻って以来、国際舞台から消えていた。そのマルケスが突然姿を現したのが、昨年、Wカップ北中米地区での戦いの最中、出場切符が今にも手からこぼれ落ちそうな、正に瀬戸際の時であった。34歳のベテランが先発に起用されたのだ。キャプテンマーカーを付けたマルケスのチームが勝利し、カンフル剤としての役割を果たし、以後の試合にも出場、切符をものにした。自信喪失で浮き足立ったチーム全体をまとめ、ピンチには落ち着かせる技量が活きたのだと思う。彼がWカップのロースターに選ばれるか今のところは分からないが、是非選ばれて欲しい選手だ。
世界のあっちこっちで35歳前後の、所謂ベテラン選手達がいまだに活躍している。日本も弱体のディフェンスラインあたりは、たまにはベテランを投入するくらいの肝っ玉が欲しいところだ。日本はこういうところは非常に排他的だ。もっと言えば、最後の15分にFWにカズを投入したら相当面白い。