普段聞きなれない言葉だが、俗にそう言われている。国家安全保障省管轄下で国境警備及び税関管理を任務としているImmigration & Customs Enforcement(ICE:通称アイス)が発行する召喚状である。これを受け取ると身の回りの物を詰めて24時間以内に指定された空港に出頭しなければならない。出頭すればそのまま飛行機に乗せられ本国に送還させられる。スーツケース・レターと呼ばれる所以である。不法滞在者にとってはDeportation、即ち国外退去を命ぜられる、最も受け取りたくない手紙である。
9.11事件以来入国審査や国境警備の強化を図ったにもかかわらず、自由と繁栄の国アメリカを目指す外国人は後を絶たず、結局現在までに1100万人の不法滞在者を抱え込んでしまった。
ICEによると、2012年の国外退去数は約41万人にのぼり、この10年で倍増したという。国別動向に特徴的傾向を見ることが出来る(以下、2001-2009 ICEのデータによる)。
最多の10万―100万人超ではメキシコを筆頭にグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル等、中米諸国が名を連ねる。とりわけメキシコは130万人と群を抜いている。次の1万―10万人のグループではブラジル、コロンビア、ドミニカと、南米諸国が名を連ねる。因みに、日本は最小グループに属し、当該期間での国外退去は791人とある。
デトロイト・メトロ空港の火曜日。毎週ここから客席を一杯にした飛行機が一機飛び立っていく。先日もその飛行機に乗るはずだった3児のアルバニア人の母親のニュースが話題となった。Suitcase letterを貰ったこの女性を支援する弁護士やサポーター達が「子供から親を離すとは酷い仕打ちだ」と騒ぎ、当局は一年間の滞在猶予を与えざるを得なくなった。しかし、こうした“大岡裁き”にも似た温情措置は稀で、全体の8%に過ぎない。
このニュースからも分かるように、不法滞在者の多くはアメリカで生まれた子供を持つ親である。政治的迫害や貧困から抜け出る為に危険を冒して希望の国アメリカを目指す。国籍に出生地主義を適用しているアメリカならではの現象である。
そのアメリカで出産が急増しているのが中国人で、西海岸の空港に降り立つ団体がやたら目立つという。かつて、中国人が目指した先は同じ出生地主義をとるカナダであったが、そのカナダが最近中国人の移民にブレーキを掛け始めたためだろうか、“目指せアメリカ”ツアーが一種のブームになっている。
移民対策。移民によって建国された国故の宿命であろうか。
9.11事件以来入国審査や国境警備の強化を図ったにもかかわらず、自由と繁栄の国アメリカを目指す外国人は後を絶たず、結局現在までに1100万人の不法滞在者を抱え込んでしまった。
ICEによると、2012年の国外退去数は約41万人にのぼり、この10年で倍増したという。国別動向に特徴的傾向を見ることが出来る(以下、2001-2009 ICEのデータによる)。
最多の10万―100万人超ではメキシコを筆頭にグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル等、中米諸国が名を連ねる。とりわけメキシコは130万人と群を抜いている。次の1万―10万人のグループではブラジル、コロンビア、ドミニカと、南米諸国が名を連ねる。因みに、日本は最小グループに属し、当該期間での国外退去は791人とある。
デトロイト・メトロ空港の火曜日。毎週ここから客席を一杯にした飛行機が一機飛び立っていく。先日もその飛行機に乗るはずだった3児のアルバニア人の母親のニュースが話題となった。Suitcase letterを貰ったこの女性を支援する弁護士やサポーター達が「子供から親を離すとは酷い仕打ちだ」と騒ぎ、当局は一年間の滞在猶予を与えざるを得なくなった。しかし、こうした“大岡裁き”にも似た温情措置は稀で、全体の8%に過ぎない。
このニュースからも分かるように、不法滞在者の多くはアメリカで生まれた子供を持つ親である。政治的迫害や貧困から抜け出る為に危険を冒して希望の国アメリカを目指す。国籍に出生地主義を適用しているアメリカならではの現象である。
そのアメリカで出産が急増しているのが中国人で、西海岸の空港に降り立つ団体がやたら目立つという。かつて、中国人が目指した先は同じ出生地主義をとるカナダであったが、そのカナダが最近中国人の移民にブレーキを掛け始めたためだろうか、“目指せアメリカ”ツアーが一種のブームになっている。
移民対策。移民によって建国された国故の宿命であろうか。