よし坊のあっちこっち

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私のHorrible Boss

2017年08月11日 | ビジネス横丁こぼれ話
どんな組織であれ、Horrible Bossを戴いた組織は悩ましいかぎりである。組織もいろいろあるが、最小単位で言えば二人で構成される組織、即ち夫婦であろうか。夫が日ごろから上から目線の高圧的態度を取れば、妻にとっての夫は正しくHorrible Bossとなり、夫が定年になった頃、突然の三下り半となる。

かなり前の事、あるスーパーで買い物をしていると、駐在員らしき夫婦の会話が聞こえてきた。何やら、妻から聞いていない事があったようで、神経質そうな夫曰く「その話、俺は聞いてないよな、そういうことはきちんと報告してくれないと困るんだよ」。妻はいつものセリフが始まったと言わんばかりの顔で、野菜を選びながら「よく言うわ、自分の事は棚に上げて」とボソッと呟いた。その後この夫婦はどうなっただろうか、と時折思い出す。

長い会社生活では一人や二人、嫌な上司に巡り合う。アメリカでは間違いなく転職の契機となるが、日本ではそう簡単ではなく、辛抱することになる。筆者の会社人生でも一人居た。

筆者の上に他部門から新任課長が来た。国立大卒で頭はいいし、仕事も標準以上と見えた。当然部下として当初は全面的にサポートしたのだが。このご仁、酒癖が悪い。酒乱ほどではないが、アルコールが入ると変な行動が始まる。その1。お得意さんとの酒宴の席で相手の担当者に頭から酒を浴びせてしまう。その2。社内の女性も入った飲み会の席。いつの間にか席に居ないので他のテーブルを見てみると、見知らぬ女性だけのグループの席でやたら盛り上がっている課長の姿に唖然。これが身内の飲み会に限らず、お得意さんの席でもやらかすから始末が悪い。ひどい時には姿を消して帰ってこず、翌朝何事もなかったかのように平然と出勤してくる。

さすがに部下としてのサポートも阿保らしくなって止めたが、案の定、この課長氏は課内で浮きはじめ、他部門からも相手にされなくなった。当分辛抱を決め込んで、その後二年ほど課長とは付かず離れずで仕事をしていたら、こうした愚行奇行はやがて組織の上の方の耳に入り、人事異動で全く関係のない関連会社に転出していった。

今、Horrible Bossの格好の研究材料がアメリカ最大の組織で見る事が出来る。合衆国大統領、ドナルド・トランプである。数々の差別発言や気に食わないスタッフを直ぐ辞めさせるところは、オーナー会社のオーナー感覚から脱却できない、 horrible Bossのひとつの典型を見てるようだ。Horrible Bossには仕えたくないが、Horrible Bossになってもいけない。


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