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Let's Go Metric 頑固なアメリカよ、早くヤードポンド法と決別を!

2015年11月02日 | アメリカ通信
アリゾナのTusconからメキシコとの国境の町Nogalesに南下する一本のハイウェイ、I-19がある。何の変哲もない道路だが、アメリカに住む間に一度は走ってみたい道である。このI-19は現在のアメリカで唯一存在するキロメーター表示のハイウェイなのである。

日本、いやアメリカ以外の国からアメリカに来て何かと煩わしいのがパウンド、オンス、フィート、インチ、そしてマイルの表示群だろう。世界でメートル法を採用していないのはミャンマー、ライベリアとアメリカの3か国。前2か国は近々メートル法への移行が決まっているから、アメリカだけが頑固にも昔ながらのヤードポンド法に固執し続ける事になる。

最近CNNが取り上げたアメリカのメートル法に関わる問題を読むと、アメリカも手を拱いていた訳ではない事が分かる。世界標準のメートル法に乗っかろうと、1866年のメートル法使用の議会承認、1975年のメートル法換算法の承認等など、圧倒的なヤードポンド世界の中で何とかメートル法を国家システムにしようとした試みてきたが、実質頓挫している。

アメリカがヤードポンド法に固執するのは何故か。もちろん、長年慣れ親しんだシステムを変えるには相当な抵抗があるが、それだけではなさそうだ。そもそも尺度の単位が無い時代、人は一歩(One foot)を単位として距離を測り、それを基準にした。事ほど左様に測定される数値は人間の身体を基に成り立っており、それを科学的な理屈で作り上げたメートル法に置き換えることなど出来ない相談だ、と科学を追及する大国アメリカがこの分野で科学を否定しているから面白い。

冒頭紹介したI-19はジミー・カーターが大統領時代、メートル法推進の為、全米でハイウェイのメートル表示をテスト的に実施した中で唯一生き残った貴重なハイウェイなのである。これを「一本しか残らなかった」と読むか、「一本残ったではないか」と肯定的に読むか。

変化しそうもないアメリカだが、ヒタヒタとGo Metricの足音が近づきつつあるらしい。
世界経済のグローバル化の中で貿易取引やビジネスの様々な局面でアメリカサイドがメートル法への換算を余儀なくされる不都合が噴出しているからである。最早世界はアメリカを中心に回ってはいない、という事に気が付き始めたのではないか。その兆候が出始めている。アジア圏との接触が多いハワイやオレゴン州は既にメートル法の暫時導入に動き始めた。メートル法の導入でビジネスや観光誘致に弾みが付くなら導入しない手はない、と言う事だろう。


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