
韓国映画の話題作「Crossing」を漸く観る事が出来た。
やはり、再現された北朝鮮の日常と強制労働の過酷な実態は目を覆うばかりだ。道端に並ぶ露天商の風景は、終戦直後の日本のそれらの光景にも重ならない。もっと荒涼とした風景だ。強制労働の場面では、思わず、かつて日本社会党の「極楽黄土」の言葉に乗せられて北に渡った多くの在日の方々の行く末を見るようである。一体何人の人がその後生き残ったのであろうか。そんなことを考えると胸が痛む。
父親は密入国で中国に妻のクスリを買いにでたが、行きがかり上、不本意にも韓国に脱出する事となり、別世界を目の当たりにしてしまう。「北朝鮮は韓国より繁栄している」。この北の教育が正反対であり、その格差は途轍もなく大きいと知ったショックは計り知れないだろう。最初の尋問過程での黙秘を破る切っ掛けとなった金賢姫の思想瓦解は、自由を謳歌し繁栄するソウルの街を見た時、北での教育がとんでもない間違いだったと確信した為と伝えられている。
映画は、息子がモンゴルルートでの北朝鮮脱出行へと続く。ハッピーエンドを期待するのか、それとも悲しい結末か。そして、映画はキチンと悲しい結末で終わってくれた。いや、この映画は悲しい結末でなくてはならない。ハッピーエンドなら、最後の最後でこの映画はブチ壊れたと思う。
久しぶりに息を詰めて観た映画だった。
やはり、再現された北朝鮮の日常と強制労働の過酷な実態は目を覆うばかりだ。道端に並ぶ露天商の風景は、終戦直後の日本のそれらの光景にも重ならない。もっと荒涼とした風景だ。強制労働の場面では、思わず、かつて日本社会党の「極楽黄土」の言葉に乗せられて北に渡った多くの在日の方々の行く末を見るようである。一体何人の人がその後生き残ったのであろうか。そんなことを考えると胸が痛む。
父親は密入国で中国に妻のクスリを買いにでたが、行きがかり上、不本意にも韓国に脱出する事となり、別世界を目の当たりにしてしまう。「北朝鮮は韓国より繁栄している」。この北の教育が正反対であり、その格差は途轍もなく大きいと知ったショックは計り知れないだろう。最初の尋問過程での黙秘を破る切っ掛けとなった金賢姫の思想瓦解は、自由を謳歌し繁栄するソウルの街を見た時、北での教育がとんでもない間違いだったと確信した為と伝えられている。
映画は、息子がモンゴルルートでの北朝鮮脱出行へと続く。ハッピーエンドを期待するのか、それとも悲しい結末か。そして、映画はキチンと悲しい結末で終わってくれた。いや、この映画は悲しい結末でなくてはならない。ハッピーエンドなら、最後の最後でこの映画はブチ壊れたと思う。
久しぶりに息を詰めて観た映画だった。