よし坊のあっちこっち

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ランス・アームストロングにみる人間の愚かさ

2012年10月11日 | アメリカ通信
最強のサイクリニストと言われ、その輝かしい実績と名声を欲しいままにしたツール・ド・フランスの覇者ランス・アームストリングのドーピングに関する克明な調査結果が公にされ、そこには元チームメート達の証言や、元妻がドラッグディーラーよろしく、せっせとドーピング剤をフォイルに包みランスのチームメート達に配る様が赤裸々に綴られているという。既に言われていたように、彼の輝かしいタイトルは剥奪となり、永久追放となるだろう。

それにしても、ルール違反してまで手に入れたタイトルに何の意味があるのだろうか。人間、他人様を騙せても、自分自身はなかなか騙せない。不正に入手したと言う事は最後まで付き纏い、そこから逃れるのは至難の業だ。よく、捕まらなかった犯罪者が死ぬ間際に本当のことを吐露する心境などは、正に自分を誤魔化せない現れである。

ツール・ド・フランスはチームで争う競技でもある。チームに残りたいと思う限り、ランスのようなカリスマが指図する事に抵抗出来る者は居るまい。最初は抵抗があっても、その名声のおこぼれを味わううちに感覚が麻痺し、それが当然かのような常態に嵌っていくのであろう。

この恐ろしいメカニズムは何もスポーツに限った事ではなく、世の中のあっちこっちで起こる。一端この輪の中に入ってしまうと、なかなか抜け出せない。人間家業の弱さが出る。だから、出るには相当な覚悟が要る。自分を誤魔化して行ける所まで行くのが利巧なのか。しかし、それが白日の下にさらされた時、単に名声を失うだけでなく、自らの人格さえもズタズタにされるのだから、とてもじゃないが耐えられないだろう。静かに抜けるか、それとも世間に告発するか。いずれにせよ、覚悟を決めておさらばするほうがよい。



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