白粉花
連日35°を越す今夏の異例とも言える高温多湿は、本当の原因が分からない。地球温暖化などのフレーズに逃げたくない。
昔から気象のことが気になって毎日天気予報をこまめに見聞きしてきた。みなさん、同じだと思う。当然のことながら、述べられることは、今日明日の予報ばかりだ。でも、ある時から、明日の晴れや雨のことよりも、天気の全体的=地球的な様子を知りたいと思うようになった。もちろん、そんなこと、自分で調べればいいことだ。そこで、何年か前から書物などを買って読んでみるのだが、一向に理解が進まない。というより、私には難しすぎる。
例えば、予報の基礎となっている〈気圧〉というのがわからない。地球の重力によって地軸に大気が引き寄せられる空気の速さや重さのことなのだろうか。なら大気は常に上から下に降ってくるのか。反対に上昇気流というのがある。これは分かる。水蒸気のように熱せられると、湯気が立ち上る。気圧というのが分からないから、低気圧、高気圧というのが分からない。高気圧というのは、大気中の重力より、引力が強く働くからなのだろうか。現象として低気圧だと悪天候、高気圧だと上天気というのは、気象を理解しているから分かるのではなくて、天気予報で述べているから納得しているだけである。
前線というのも分からない。寒冷前線が発達し、などというが、気象上の前線というは、単に高気圧と低気圧の境目ではなさそうだ。寒冷前線と温暖前線の違いもよく分からない。
などと疑問ばかりで、入門書として膾炙している講談社のブルーバックスにある「気象学入門」と読んだのだが、よく分からない。私にはどうも理系の基礎知識が足らないらしい。
目次を見ると、1 雲のしくみ 2 雨と雪のしくみ 3 気温のしくみ 4 風のしくみ 5 低気圧・高気圧と前線のしくみ 6 台風のしくみ 7 天気予報のしくみ、となっているのです。分かりやすそう。でも私には理解できなかった。
気象については各所で関心があって、新潮社のPR誌「波」でも連載がある。題して「天気のからくり」これもよく理解できない。私は理系の知識の素養がないらしい。でも気象のあり方、そのことを理解したい、と今夏は特に思う。【彬】