一日、会津磐梯山に登り、翌日、裏磐梯五色沼の緑道を散策してきた。
目につくのは特有の植生で、磐梯山が大噴火した後の名残りをとどめているのだろう。特に赤松の群生が顕著で、しかもその樹形が松とは思えないほど、すっと高く伸びていることだった。赤松は荒地に生育する典型的な先駆植物で、他種の植物が繁茂する頃には消えてなくなる運命にある。だから磐梯山の大規模な地形の変化は、これらの赤松の成長と歴史を共にしてきたことになる。そう思うと、この群生には一層興味が湧くというものだ。
ウィキペディアによると、日本での赤松の群生地は八ヶ岳山麓の美しの森が有名らしい。その他、私の記憶だと那須周辺、軽井沢あたり。赤松は松茸と関連があるから、広島など中国山脈にも多いのかもしれない。が、五色沼周辺の赤松の林立は、木肌がピンク色をしていて、鮮やかである。性格上極相林にはならないから、保護することはできないのだが、天然記念物として愛でたい気がしたのであった。
絵は五色沼の青沼辺りの緑道を描いたもの。文字通りご笑覧のほどを。【彬】