絵=本多厚二
集団自衛権を巡る新法制に端を発し、解釈改憲をめぐって法学者や政治家、イデオローグの間で議論がやかましい。
そこに、選挙権の低年齢化(18歳)が加わり、立憲主義、民主主義、法治主義など、聞き慣れたコトバ、概念がジャーナリズム界隈で散乱している。
江川紹子氏などは、民主主義を学校でちゃんと教えるべきだとして、戦後すぐの中高校生用の教科書「民主主義」を持ち出す始末であるが、結局、「民主主義の基本とは何なのか、国民一人ひとりはどのようにふるまうべきなのか――そういう根本からじっくり考える機会を、選挙権の年齢引き下げをきっかけに、高校生たちにぜひ提供して欲しい。もちろん、それは現在すでに有権者である大人たちも、考え直すべき課題だろう。」(2015年6月18日yahoo!ニュース)と啓蒙家ぶっている。
民主主義、立憲主義というのをどう理解するのか。簡単なことである。
民主主義下では、国民一人一人が誰にも侵されない権利(主権)を持っており、そして権利間の利害を調整をする法文上のルールがあるということなのである。主権の行使は、選挙であり、訴訟であるが、いまの行政上で欠けているのは、国政に対するリコール権である。自治体では確立しているが、国政レベルではまだ実現されていない。政策の可否を問う国民投票はではなく、国家権力に対するリコール権が重要である。野党はつまらぬ反対運動するより、リコール権の確立のために、奔走すべきなのである。【彬】