ネコヤナギ。川べりに咲いています。
風邪の季節。都内ではインフルエンザ流行の注意信号が出ている。
そんな中、テレビなどで、風邪予防のためのマスクに効果がないのではないか、といった解説が医療関係者から出ている。マスクの効用は飛沫感染を防ぐのが目的であるが、風邪ウイルスの場合は、マスクのガーゼなど簡単に通過してしまうので効果がないというのだ。確かにウイルスそのものは目には見えないほど微小な物体であるから、ガーゼは役に立たないだろう。マスクをかける人は日本人以外には、いないようだ。
しかしと思う。ウイルスは細かい粉塵ではなく、生きている微生物であることを忘れてはなるまい。生物や栄養素に寄生し、好適地に辿り付くや否やあっというまに増殖して、食い尽くす。いつも最適な営巣地を求めていて、移動しているのである。問題なのは、その移動手段である。
ウイルスは単独では生きてはいけないし、羽があるわけではないので、いつも何かに乗って移動していると考えられる。細菌として空気中に浮遊しているわけではないのである。冬場に感染が広がるのは、その時期がウイルスの移動しやすい状況、すなわち空気が乾燥し粉塵がよく飛び交う環境となっているのである。粉塵の中にはタンパク質などの有機物を多く含んだ微小物があり、それに乗って移動するのである。だからその微小物を遮れば感染は防げることになる。また、ウィルスは口や鼻から侵入する。だから目が粗いとはいえ、マスクはその役目は十分に果たすことができると思うのだ。
ひととき名前を馳せたドーキングとう生物学者は、ウイルスを世界最強の生き物だと言っている。というのは、寄生地が枯渇しても、次から次へと寄生地を求めて乗り移っていくことのできる特性が彼らの生き方だからだ。すぐ寄生地を乗り換えるのだ。
こうしたウイルスを撃退できるのは、動物の場合は、それぞれの免疫体だろう。だから、風邪予防の場合は免疫体が活発に活動していることが大事で、ヒトの場合は日頃の代謝活動が順調に行われていることが、免疫活動の活発さのメルクマークとなっていると思われる。
など、と記しているうちにちょっとばかり頭痛がし始めた。はては風邪か。今日はマスクをかけ忘れたか。【彬】