白いワビスケ
スーパー大回転のスピードは半端ではない。時速100キロという。それをコーナーや起伏の中で、跳び、滑る。車だと高速道路でも明らかにスピード違反になる。ジャンプ競技は踏み切ってから100メートルを超える。ゴルフでさえドライバーで100メートルを超えるのは簡単ではない。フィギュアスケートは踊りながら4回転する。バレエダンサーも4回転は無理だ。氷上には強い反発力があるとは言え、尋常ではない回転である。アイスホッケーはパックの動きが速くてテレビではよくわからない。おそらく打った瞬間は時速100キロを優に超えているだろう。それを狭いリンクで撃ち合う。驚くのはスノーボードだ。ハーフパイプでは空中高く飛び出し、回転を繰り返す。
私たちの感覚だと、スポーツというより曲芸に近い。
人間の能力は研ぎ澄まされると、こんなに高度な能力を発揮するものなのか。
でも思う。競技のルールを変えることはできないか。例えばジャンプは滑走斜面の角度を緩くし飛距離を5~60メールくらいに抑える。ハーフパイプは深さを浅くする。ホッケーはリンクを大きくし、パックを軽く大きくするとか。そうすることで競技がもっと身近なものになるのではないか、と思う。
昔、プロ野球の三原脩という監督は、ファールラインをもっと広げ、フィールドを広くすればもっと試合が動きだし、躍動するのではないか、と提案したことがある。
ルールを変えること容易いことだと思う。現にジャンプはスキー板に制約を与えたし、バレーボールや卓球など、カウント方法はどんどん変わってきている。
スポーツの振興のためにはルールを神聖化する必要はないように思う。【彬】