コナラの実
宇露戦争はそれぞれのプロパガンダはあるにせよ、かなり詳細なことまで伝わってきている。それだけ通信手段が発達したということだろう。
どういう形で戦争が終結するのか、誰も予測できないが、はっきりしているのは、露軍の戦争犯罪が夥しいということ。もちろん、この犯罪は裁かれなければならない。では誰がどのように裁くのか。通常なら戦勝国が裁く。しかし宇露戦争は、宇は露に攻め込んでいかいこととなっている。だから例え勝利したとしても露国の主権を奪うものではない。とすると宇国は露の戦争犯罪を裁くことはできない。
戦争裁判は敵国の主権を奪って初めて可能になる。誰も露国に踏み込めない。とすると露国自身が裁くことになる。つまり政変である。政変が起って、現政府及びその軍隊を裁くことになる。とするとかなり曖昧な判決にならざるを得ない。
次に問題になるのは、賠償である。露国は全面的に賠償しなければならない。しかし、それだけの余裕はあるまい。数十年をかけて賠償を行うことになろうか。
これらの処理は交戦国同士である宇と露の間では不可能だ。だから第三者が間に入ることになる。第三者とは誰か。国連がその役割を果たすことができればいいのだが、当事者である露、及び中国が常任理事国である限り、正常に役割を果たすことは不可能だ。
アメリカを筆頭とする武器供与国が連合して、これにあたるのか。もしそうだとすると、第二次戦後の世界体制であった国連は実質的に解体することにつながる。つまり新たな世界システムが模索されることになる。
宇露戦争が重大なのは、核の使用云々の問題ではなく、未来社会をどう描くかの問題が絡んでいるからである。【彬】