ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

日本のテルマエロマエ

2023年06月22日 | 日記

               桔梗

 私は数人の仲間と毎週ジョギングを楽しんでいる。仕事を終えた夕方、JR四谷駅近くの銭湯に集合し、神宮外苑周辺をおよそ10キロ走る。銭湯で着替え、練習が終わると、そこで入浴を済ませ、その後、ラーメン屋で打ち上げである。練習後の世間話も談論風発、実に充実した時間を過ごしている。
 ところがこの銭湯、今月六月いっぱいで廃業とのこと。
 腰の曲がった愛想のいい老夫婦で経営していたが、後継がいないとのことで廃業するとの掲示が出ている。残念だ、、、残念がっているのは、私たちだけではない。
 この銭湯、ちょっと狭く、老朽化が進んでいるとはいえ、駅に近いこともあって、利用者は多い。中心はご近所の人たちだが、会社帰りの人、私たちと同じようにランニングで利用するグループ、あるいはハイキングやグループ活動の人とかで、毎日盛況である。名前を「塩湯」という。この地域は塩町という地名が残っていることもあり、古くは江戸の塩職人たちの住んでいた所だと思う。半蔵門から新宿に至る地域には、このほか、多くの銭湯があったが、この塩湯を最後にほとんど姿を消すことになる。
 銭湯=公衆浴場で思い出すことがある。
 映画にもなった、ヤマザキマリ氏の漫画「テルマエロマエ」である。古代ローマ人は健康・衛生の観点から浴場を活用していたらしいが、規模が違うが日本の銭湯も同じような役割を果たしてきた。各家庭に家風呂ができたことで銭湯が減ったが、アパートやマンションの中の狭いポリ風呂より銭湯の方がずっと開放的で健康的だ。銭湯の果たす役割は想像以上に大きいと思う。
 銭湯の入浴料金は公共料金として決められていて、都内一律500円。ということは、施設は公共的な役割を負っているのだ。でも、廃業が相次ぐのは経営難。だからもっと公共的な支援があってもいいのではないだろうか、と思う。このままだと都内から銭湯がなくなってしまう。
 自治体には自治会館とか、児童館、体育施設とか、各種施設があるが、そこに銭湯に類する施設を付属させるとかして、なんとか銭湯の風俗を残したいものだ。湯船につかる快感はシャワールームでの汗の流し方とは根本的に違う。
 塩湯には、少なくない欧米人もやってきていた。【彬】

 

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