のんびりぽつぽつ

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「三月は深き紅の淵を」

2005年09月05日 21時43分52秒 | ★★恩田陸
恩田 陸 著 講談社文庫。

読みたい。
「三月は深き紅の淵を」を読みたい。手にとって始めから終わりまで誰にも邪魔されずに読んでみたい・・・

そう無償に思う、思わされてしまう「本」です。


この作品は、4部作になっています。そして、その4部作は、「三月は深き紅の淵を」という稀少本にまつわるお話。
第一部では、この本は実はまだ書かれておらず、お金持ちの人々の道楽に半分ひっかけられたような作り。第二部では、この本は厳然と存在し、その本の作者を編集者の女性二人が夜行列車のなかで推理しつつ、作者であろう人の元に行く話。第三部は、そこに出てくる人がきっと「いつか私は書くだろう」と思っているお話。そして第四部は、この「三月は深き紅の淵を」を書いた作者が、ちょっぴりこの話の構成を説明しつつ、実はものすごく厚いベールの影に、この「三月は深き紅の淵を」を隠してしまうお話。

つまり、この本は、「三月は深き紅の淵を」という内側の物語を包む、外側のお話の本なんですね。
それぞれの中編ごとに単品でも楽しめるし、「三月は深き紅の淵を」で繋がっているとも見える。更に必ずある人がそれぞれのお話にちらっと見え隠れしていますから、それはきっと、内側のお話に共通するある果物と同じ扱いであろうと思われ・・・そして更に、次の本に繋がっている。

ああ、書いていて自分でも混乱してます。
でも、文庫本の帯に「これが恩田陸だ!」なんてキャッチコピーがありましたが、ほんとにそうだなあ、、とも読みつつ感じておりました。
この構成力や表現力だけでなく、今までに読んできた恩田先生の作品の骨がちらほらと見え隠れしたりするんです。
作品をいろいろ読んだ後にこの本を手にとってもまた別の楽しみ方が出来そう。

というわけで、すでにこの次のお話を手にしています。
気持ちがとてもどきどきとして、不思議で追い求めたくて。
できたら誰にも邪魔されず、一気に読んでしまいたい。
でも、読み終わりたくない・・・

物語を追い求めつつ読み終えて、読み終えてしまったからこそ、更に追い求める。
そういう作品だな、と思います。

一年ぶりに。

2005年09月05日 21時31分09秒 | ぽつぽつぽつ
土曜日。電車を乗り継いで出かけてきました。大宮ソニックシティー大ホール。
去年はここに、親子で大緊張して来ていたんだなあと思いつつ、今年はちょっぴり気楽に、でもちょっぴりドキドキしながらいきました。

NHK全国学校音楽コンクール 関東甲信越ブロック大会。

今年もここまでコマを進めた小学校合唱団の応援です。

OBであるお姉ちゃんたちを連れて、下の怪獣も「行く!」というものだから仕方なく(おい!)私も出かけたのですが、やっぱりいいですね。子どもたちの歌声は。
自分の子どもたちがかかわっていない今年。それぞれの地区から勝ち上がってきた子どもたちの演奏は、ほんとうにきれいで、また元気で、明るくて、そして感情が篭って。
純粋に楽しむことが出来ました。
(当事者はこうは行きません。自分の学校以外のすべての学校が上手く聞こえますからねー

ここから3校が全国大会にコマを進めます。
進めた学校も、そうでない学校も、それでもとても新鮮な歌声をありがとう。
いろいろ批評されていたけれど、間違いなく力いっぱい歌えていましたよ。

心洗われた一日でした。