のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

わたくしMD。

2005年09月30日 21時48分08秒 | ぽつぽつぽつ
ちょっと時間に余裕のある一日。
久しぶりだな~と、いろいろコマコマ動いていたんだけれど。

とっても気持ちのいいお天気に、ちょいとレンタルを返しに行こうかとTSUTAYAへ。そこで、「そーだそーだ」とMD5Pパックを買ってきた。

私はよく、気に入った曲だけをひたすらリピートして聴いてしまう。一枚のアルバムの中でも、「これだ!」っていうのだけを聴いていると、すご~く幸せな気分になれるけれど、反面CDには・・・・よくないよね。こういう聴き方。
と、言うわけで、近年はMDに繰り返し落とし、それを「わたくしのMD」として主に仕事中にかけるのだ。

今回は、何を繰り返したか、っていうと。

T.M.Revolutionの「Meteor-ミーティア」

ガンダムSEEDの後半の挿入歌である。

これがねぇ。何しろすごくいいシーンで使われているんだけれど、番組内では当然ストーリーがメインだから、曲はあくまでBGMなんだ。そうすると「歌詞」が私の耳では聞き取れないのだ。それがすごく残念で、気になって気になって、、ついにSEEDの「COMPLETE BEST」なんてCDを手にしてしまった。
歌詞カードを読んで、益々気に入ってしまった私。絶対これを繰り返して覚える!と決めた。

で、今回は。
最初のOP「INVOKE-インヴォーク」「Meteor-ミーティア」「INVOKE-インヴォーク(phase shift armoured version)」「Meteor-ミーティア」「moment」「Meteor-ミーティア」ってな具合に、一曲おきに「Meteor-ミーティア」がくるようにしてみました~。合計75分(爆)

大満足バカ?)

さあ、明日の仕事からこのMDを掛け捲るぞ~~~
と、思ったら、明日は土曜日。家族が家に居る・・・
あ~あ。そうするとこれ、かけられない。家族には不評なんだ、こういう「繰り返し」MD。

ま、理由は、、ね。押して知るべし。。。なんだけれど・・・

でも。。。

あ~ん・・聞きたいよーーー(大バカ??)

「月の裏側」

2005年09月30日 14時23分32秒 | ★★恩田陸
恩田 陸 著 幻冬舎文庫

私が鳥肌たってしまった「怖い」お話です。
最後まで読んだら、すっかり落ち着いてしまったんですけれど、途中が、ね。
なにしろありそうなお話なだけに・・・・怖い。
ところが、一気にラストに突入すると、それもありかな?と思ってしまって怖さがなくなる。
異常にも、怖さにも、人は慣れてしまう。
作品の中で、中心にいる4人が感じているそのままを、なんだか私も実体験してしまったみたいです。

隣を歩いているその人は、「人間」ですか?

中身が知らないうちに入れ替わる。それを、4人は「盗まれる」と表現しますが。
九州にある架空の水郷都市で起きる、謎の失踪事件。失踪するのは老人ばかりで、一週間ほどすると突然また帰ってくる。その間の記憶が一切ないだけで本人はいたって元気なまま。そんな事件に興味を持ち、関わった新聞記者、自分の弟夫婦が昔その「失踪」をして以来、その謎を追っている元大学教授。そして、教授に呼ばれて街にくる教え子、教授の娘の4人が見つけてしまう、「あれ」の存在。

すべてが「ひとつ」になりたがっている。
人としての種の「多様性」を捨てて、「ひとつ」になりたい時に来ている。

これを進化と呼ぶのか、侵略ととるのか。

表面は何の代わりもない人々なんだけれど、無意識の状態のとき「ひとつ」のおおきなものであることがわかる。
その判り方が。。想像したら怖いんです。怖かったんですねぇ。。。

教授の娘が体験した場面。
朝、コンビニに食料の買出しに出かけた彼女。そこで偶然オートバイと車の交通事故にぶつかる。コンビニに飛び込んできたオートバイをみた、その店内にいた彼女以外のすべての人の反応。
それが

「同時に、手を口のところに持っていってびっくりした表情をしている」

動きのすべてがまったく同じスピードで行われる反応だった。

そして、
教授が弟夫婦を「同じだけれど違う」と思ったのも。
食事仕方が、箸の上げ下げまでまったく同じであったり、窓ガラスにぶつかってきた鳥に驚おたときに、身体の動き方やスピード、表情までがまったく同じであったこと。

別々の固体であれば、いくら申し合わせてもやっぱりどこか「ずれる」のが人間だから、この反応はつまり、無意識のレベルで、たった一つの意識しかないということ。

これは、怖かった。
なにしろ「無意識」の状態を自分ではわかりませんから、もしかしたらすでに自分は「盗まれて」いるかもしれない。でも、意識レベルでは私は私で、他のものではありえず、行動も考えもすべて「私」が判断していると信じているわけで・・・ああー何を言ってるのかわからん~~~~

怖く、ないですか?

後半、一斉に一晩で「盗まれて」いく人々と、その再生される現場を見つけて定点観測を始める4人。そこまで話が進んだら、なんだかその状態に慣れてしまった私。なんでかなーと考えてみると、それはつまり、目の前にどんなにグロテスクでも「再生されるもの」が現れたから、かな。見えない状態のときが、一番恐怖を感じますよね。人は。

このお話、「光の帝国-常野物語-」のなかの、「オセロ・ゲーム」や「草取り」にちょっと似ているな、と思いました。あそこでは「侵略」と捉えているように思いますが、この「月の裏側」では、どこかあきらめて、それも人のこれから先の姿、と捉えているように思います。どっちを先に発表してるのかな?とおもったら「常野」のほうですね。

終わりの解説を読んだら・・
この本、最初ハードカバーで出たときには帯に「郷愁の傑作ホラー」ってコピーが書いてあったそうで・・・
「ホラー」・・・先に言ってよー、そういうことは・・・でも、純粋なホラーとも違うような・・・・・?
ホラーとSF・・ミステリー・・・最近こういう枠組みってなくなってきているように思うのは私だけでしょうか。

なにやら先行して似たSF小説があるそうですが・・なんだろ?
そういえば、「劫尽童女-光文社文庫刊-」は「ファイアスターター」を思い出つつ読んでいたら、あとがきに「『ファイアスターター』プラス七十年代SFを念頭に置いた、一人の少女の成長物語のつもりで書いた。」とおっしゃっているから、この作品にもなにかあるのかな?

先行した作品というのが何だかわからないんですけれど、このお話は非常に怖くておもしろかったです。解説者の人のオススメ通りに先入観のない状態で読んだ私は、そう思います。