遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日米首脳会談 「われわれの役割と責任を果たすことを誓う」と

2012-05-02 23:58:59 | 日本を護ろう
 宿題の普天間移転も、TPP参加も進展がないまま実行された野田首相の訪米首脳会談。儀礼的な中身の薄いものになると予測し興味も薄かったのですが、外交辞令とは言え、思いのほかオバマ大統領からは「日米同盟の立て直しに指導力を見せた」と謝辞を述べられ、歓迎された様でちょっぴり驚いています。
 もちろん、TPPでは自動車、牛肉や、出発直前に可決した郵政改革法案に絡む保険について注文をつけられ、シェールガス供給への甘い期待は先送りされ、安全保障では役割分担の約束を取り付けられると、内容は米側のリードするものばかりで、予想に近い厳しいものでした。
 

同盟再建(下) 日米首脳国内事情足かせ (5/2 読売朝刊)

 
オバマ米大統領が主催したホワイトハウスでの昼食会。メーンの魚料理を味わいつつ野田首相が切り出したのは、米国内でここ数年、生産量が伸び、安値が続く天然ガスの話だった。
 「東日本大震災の後、わが国の液化天然ガス(LNG)の需要は急増している。米国からの日本へのLNG輸出への関心は高い」 天然ガスは現在、米政府が輸出を制限する"戦略物資"だ。原子力発電所の稼働をほぼ止めた
日本は今、中東などからの高価なLNGの輸入量が増え、貿易収支は赤字に転落
した。日本側では企業も含め、「同盟国の米国から安いガスが調達できれば、エネルギー安全保障上の意義は大きい」(経済産業省幹部)と、同盟関係への期待を高める。
 だが、大統領は「日本のエネルギー安保は米国にも重要だ。引き続き協議したい」と述べたものの、輸出解禁の言質を与えなかった。
日米共同声明でも、「ガス」の文言は、米側の強い主張で姿を消した

 背景には、11月の大統領選を控える大統領のお家事情がある。対外輸出をめぐっては賛否両論があり、大統領も有権者の反発を招く危険は冒せない。
「事前折衝で米側は『選挙前には決められない』の一点張りだった」
と日本側は明かす。
 国内事情が足かせとなっているのは首相も同じだ。今回の訪米で、首相は、米側が期待してきた環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加入りを表明しなかった。昼食会では「昨年11月、『交渉参加に向けて関係国との協議に入る』と表明した私の考えは変わらない」とのみ語った。日本国内でも、参加への賛否が激しく割れているためだ。
 指導者の足元が不安定だと、蜜月を目指す同盟関係も、国内事情を優先せざるをえなくなる。特に、米国の史上最大級の財政危機は、同盟にも影を落とす。
 それは、首脳会談前の4月25日に予定された
在日米軍再編計画見直しの共同発表が、土壇場で2日間延期されたことにも表れた。米上院軍事委員会のカール・レビン委員長ら大物議員3人が予算などをめぐって待ったをかけ、米政府は発表の微修正
を迫られた。
 日本政府筋は「
米国は今後も"同盟の維持費"で、厳しい要求を出してくる
かもしれない」と危惧する。
 30日の共同記者会見。
大統領は「総理、我々の特別な同盟を生き返らせてくれて、ありがとう」と呼びかけた。迷走した同盟の再建を担う首相への異例の謝辞は、TPPをはじめ、今回先送りされた難題解決への重い期待
でもある。

 外務省:日米首脳会談(概要)

 オバマ大統領から謝辞を述べられた野田氏は、約2時間会談し、宿泊は、過去日本の首相でただ一人小泉氏しか泊まっていない、大統領賓客施設「ブレアハウス」だったのだそうですね。
 同盟関係は、相互に利用し、利用されるものだから受け身にならずドライに米国を利用するべきとエールを送る声がありました。
 

日米蜜月ドライに追求 首脳会談を終えて アメリカ総局長柴田岳 (5/2 読売朝刊)

 
とかく「ビジネスライク(実務的)」と評される弁護士出身のオバマ米大統領は、実は「政策より政局の人」だという。矛盾はしない。パワーゲームに勝つためにドライに政策を選び取り、交渉相手も使い分ける政治家、という意味だ。
 ワシントンでは約3年2か月ぶりとなった日米首脳会談で、
大統領は野田首相が日米同盟の立て直しに指導力を見せたことに何度も感謝の言葉を述べた

 2009年9月に誕生した鳩山民主党政権が同盟の信頼を揺るがす中、大統領は李明博韓国大統領との蜜月関係を演出してきた。経営者出身の李氏が自前の世界観や国家戦略を語ることも魅力だったという。
 首相同行筋は「だから首相も会談で、アジア太平洋地域の秩序作りに日米で取り組もう、中国を引き込もう、と戦略性のあるメッセージを強調した」という。
 
オバマ大統領の賛辞には、自分が注文をつけた「宿題」の解決に首相はよく努力している、というあけすけな響きがある。だが気にする必要はない。同盟関係とはそもそも、互いに利用し利用される、外交の「道具立て」なのだから。
 日本が、北朝鮮の核とミサイルから身を守り、軍拡と海洋進出を続ける中国と渡り合ううえで、現実に信頼できるパワーはやはり米国だ。米国も、国防費削減を迫られる中、最大の市場であるアジアで中国の台頭をけん制し、海上交通の安全を確保するには、日本の協力がほしい
のだ。
 首相が泊まった大統領賓客施設「ブレアハウス」は、過去の宿泊者の中から30組のゲストブック(宿帳)を公開している。その中に日本の首相でただ一人、01年9月の米同時テロ直後の小泉首相のサインがある。
 「テロと戦え。我々は米国の確固たる味方だ」
 大胆な語り口でブッシュ大統領の信頼をつかんだ小泉首相が日米共同文書「新世紀の日米同盟」をまとめたのはその5年後だった。
 野田首相はようやく日米関係の停滞を脱し、戦略対話の道を歩み出した。
受け身にならず、小泉氏のようにドライに米国を利用すればいい。国益を踏まえ、米国と互いに折り合える関係を築くこと
だ。
 なにより必要なのは政権の維持である。「コイズミくらい長くやってくれたらなあ」。首脳会談の感想を聞くと米政府高官はそうつぶやいた。自らも11月に再選を目指すオバマ大統領だが、09年1月の就任後、日本の首相はもう4人目。
米政府の関心事は依然、野田政権の寿命
である。

 互いに利用し利用される。だから利用されたからと言ってめくじらを立てることではなく、こちらも利用をすればよいのが外交ということです。
 言うのは簡単ですが、どうも利用されることは日本はたやすいのですが、利用することは長けていないのが伝統の様で、特に民主党はそれが著しいのですね。

 それに、米政府の関心事の野田政権の寿命も、これといった交代しうる強力な担い手がいないものの、足の引っ張り合いで、危ういのが現状です。
 日本の中に問題があることです。民主党も自民党も党内で重要政策で割れています。政局ではなく、政策で再編成しないと、何も決められない国として、世界の変化から脱落し、没落の坂道を転がり落ち続けることになるのでしょう。

 選挙を控えたオバマ大統領だけでなく、世界中の国が日本の為に流れを止めて待ってくれることはありません。
 米軍再編は、中国のミサイルの射程圏外へ分散し沖縄から退避していきます。この時、日本は自前の防衛体制の構築が必要になります。
 TPPは、日本抜きでも米国、オーストラリア、ニュージランド、カナダ、メキシコ、ベトナム他で充分推進力があり進められていくでしょう。中韓FTPが、日中韓FTPを期待する日本抜きでアジアの主導権を盗ろうと先行する動きです。この時日本は農業改革もなく孤立する道を選択していいのでしょうか?

 「アジア太平洋地域と世界の平和、繁栄、安全保障を推進するために、あらゆる能力を駆使することにより、われわれの役割と責任を果たすことを誓う」と共同声明で謳い、「きちんと結果を残す」と言い切った野田氏が政策実行力を示すことができなければ再び日米関係は漂流を始め、安全保障でも孤立しかねません。
 日米首脳会談 防衛分担、問われる覚悟 「結果残す」首相キッパリ (産経新聞) - Yahoo!ニュース






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