遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国の世論戦活発化 日豪は「VFA」で関係強化

2017-12-25 23:58:58 | EEZ 全般
 中国による外国政界や世論への工作が活発化し、顕在化してくるようになってきている様で、各国が警戒を強めているのだそうですね。
 オーストラリアで、2015年9月に、アボット前首相から交代就任した、ターンブル首相は、息子の妻が、元中国社会科学院の国際法研究者の娘であることや、本人も1990年代、中国河北省の炭鉱ビジネスに投資した経験を持つこと、「中国が対日戦争でともに戦った同盟国であることを忘れない」と演説で語るなど、親日米のアボット前首相とは異なり、親中派と就任当初は見られていました。資源の大口輸出先であることもあり、政策にも中国接近姿勢がみられました。
 ところが、そのターンブル首相が、中国に買収され中国の意向に沿う活動をする野党議員が出現するに至り、海外からの献金を禁止する法案を議会に提出することになったのだそうですね。
 中国の「三戦」戦略のひとつ「世論戦」は、メディアやそこに登場する解説者、学者や国会議員を買収して、攻撃対象国の国内世論を媚中に変えるものであることは、諸兄がご承知の通りです。台湾併合で進められている戦略ですが、今では、米国をはじめ日本も含めて世界の国々に対して展開されていますね。
 「中華の夢」を追求する習近平政権の下、オーストラリアの他に、シンガポール、ドイツでも被害が顕在化してきているのだそうです。
 
政界きっての「親中派」オーストラリア新首相登場 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

 
中国の工作 各国警戒 豪 議員に献金、「有利発言」 独 SNSで政官界「浸透」 (12/25 読売朝刊)

 【北京=東慶一郎】中国による外国政界や世論への工作が活発化していることが相次いで明らかになり、各国が警戒を強めている。習近平政権は、世界第2の経済力を背景に自国に有利な政治行動を取る国を増やし、中国主導の国際秩序を浸透
させようとしており、そうした活動の一環とみられる。

 「外国勢力が、(オーストラリアの)政治プロセスに影響を与えるため、前例がなく、ますます巧妙な工作をしている」
 豪ABC放送(電子版)によると、
オーストラリアのターンブル首相は5日、海外からの献金を禁止する法案を議会に提出し、背景をこう説明した。同国では、野党・労働党のサム・ダスチャリ上院議員(当時)が、中国人企業家から多額の献金を受け取り南シナ海問題で党の方針に反して中国の領有権主張を支持した
ことが政治問題になっていた。
 ターンブル氏は、中国を標的にした法案ではないと強調しつつ、「ダスチャリ氏はオーストラリアを売り渡した」とも述べた。中国外務省の耿爽(グォンシュアン)副報道局長は定例記者会見で、法案について「中国に対する偏見に満ちている」と反発した。
 工作活動の一端は、ほかでも明るみに出ている。
ニュージーランドでは9月、中国出身の国会議員を巡る「中国のスパイ」疑惑
が取りざたされた。議員は「スパイではない」と否定した。
 
シンガポールでも8月、政府が、リー・クアンユー公共政策大学院の中国系の教授(現在は米国籍)が「外国の情報機関と連携してシンガポールの外交政策や世論に影響を与えた
」として、妻とともに国外追放したと発表した。地元メディアなどは、この情報機関を中国とみている。
 中国による外国での政治・世論工作は、共産党中央統一戦線工作部(統戦部)が主に担う。中国への好意的な意見を増やし、一党独裁モデルの利点を広めるのが任務とされ「外交官として、外国政治家や有望な国外の中国人との人脈を築く」(米専門家)のが手口とされる。近年は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使った工作にも力を入れているようだ。
 
独DPA通信(英語版)は今月11日、ドイツ情報当局が、主にビジネスマンが人脈拡大などに使うSNSの「リンクトイン」を使った中国の諜報活動に警告を出した
と報じた。報道によると「中国のスパイ機関」は偽の経歴を作って今年に入り、1万人以上のドイツ人と連絡を取り、政官界に協力者を作ろうとしたという。
 こうした状況を受け、米上院は13日、「中国の影響力拡大」をテーマにした公聴会を開催。
マルコ・ルビオ上院議員は、「中国政府は、中国の歴史や人権の記録を修正し、その弾圧的な政策の批判者を脅迫しようとしている」と警鐘を鳴らした

 米国でも、トランプ大統領と、共和党の代表選を争った若手のホープで親日派のマルコ・ルビオ上院議員は、「中国政府は、中国の歴史や人権の記録を修正し、その弾圧的な政策の批判者を脅迫しようとしている」と警鐘を鳴らしているのですね。

 オーストラリアのターンブル首相が、来年1月中旬に来日するのだそうですが、首脳会談では、VFAについて大枠合意を打ち出す予定なのだそうです。
 

日豪地位協定 大枠合意へ 自衛隊と豪軍 来月、首脳会談で (12/25 読売朝刊一面)

 オーストラリアのターンブル首相が、来年1月中旬に来日する方向で調整していることが明らかになった。日豪首脳会談では、自衛隊と豪州軍が互いの国内で円滑に活動するための協定について、大枠で合意する見通しだ。日本政府は2018年中に英国とも同様の協定の協議に着手することを目指している。朝鮮半島や東・南シナ海の情勢の緊迫化に備え、米国に加え「準同盟国」との連携を強化し、安全保障協力を多角的に深める狙い
がある。

「準同盟国」と連携強化
 日豪両政府の関係者が明らかにした。協定は「訪問部隊地位協定(VFA)」で、通称は「日豪円滑化協定」となる見通し。
日本は、同盟国の米国とは長期駐留を前提とした日米地位協定を結んでいるが、「VFA」について大枠合意するのは初めて
となる。
 14年に始まった日豪の協議では、自衛隊や豪州軍の部隊が共同訓練などで相手国に一時滞在する際、①携行する物品の関税免除②武器や弾薬の持ち込み許可━━の手続きの簡素化などで合意した。来年1月の首脳会談で両政府の合意事項を確認する方向だ。
 一方、隊員らが相手国で犯罪を犯した場合の扱いは、相手国の法律を優先するのが原則だが、例外規定や適用範囲などの詳細を詰めるのに時間がかかるため協議を継続する。両政府は19年中の正式合意と運用開始を目指している。
 
日本政府が「VFA」を推進するのは、近年、自衛隊と各国軍との共同訓練に力を入れているため
だ。
 15年には陸上自衛隊が米豪軍の合同演習に初参加したほか、来年は空自と豪空軍との共同訓練を初めて日本国内で実施する。英国とも今月14日の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)で、2国間訓練の定例化を目指すことで一致した。「VFA」の締結で訓練の拡充を後押しする狙いがある。
 また、
「VFA」には「両国の信頼関係を内外にアピールする」(防衛省幹部)効果もある安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」を踏まえた安全保障の協力網を広げ、北朝鮮への抑止力を強化するとともに、中国の海洋進出をけん制したい考えだ。

 日本は、同盟国の米国とは日米地位協定を結んでいますが、「VFA」について大枠合意するのはオーストラリアが初めてなのだそうです。
 「VFA」には「両国の信頼関係を内外にアピールする」効果もあり、安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」を踏まえた安全保障の協力網を広げ、北朝鮮への抑止力を強化するとともに、中国の海洋進出をけん制したい考えがあるのだと。
 日本政府は、「VFA」締結を英国とも協議を始めるのだそうで、朝鮮半島や東・南シナ海の情勢の緊迫化に備え、米国に加え「準同盟国」との連携を強化し、安全保障協力を多角的に深める狙いがあるのだそうです。

 暴走する北朝鮮、覇権を拡大する習近平、一国のみで対処・防衛するのではなく、志を同じくする国々が連携することで牽制し安全保障の枠組みを構築するのですね。
 年明けの、日豪、「VFA」の大筋合意に期待ですね。そして、国際法を無視し、力による現状変更を進め、覇権拡大を続ける中国に、抑止力が高まることに期待します。それは、中国一強のアジアになることを拒否・危惧し、中国への抑止力を持つ国を求めているアジア各国の期待でもあるのですね。



 # 冒頭の画像は、2016年4月に会談した、豪・ターンブル首相と習近平
  日本、潜水艦受注逃す――習近平とオーストラリア(豪州)の深い仲(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース



 
  この花の名前は、サイハイラン


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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?







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