遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

国の大事を扱う国会が取り上げるべき問題は、あくまでも今日の国家的問題

2019-12-17 01:23:58 | 日本を護ろう
 最近の国会質問には文句をつけたいと、大阪大学の加地伸行名誉教授。
 その第一は、「桜を見る会」問題だと。
 国会議員諸氏は一度も公私混同したことはないと言い切れるのか。
 安倍首相が自分の知人らを優先して招待し、それも国費を使っているのは、許せない。公私混同だと責めるが、自分は公私混同したことが無いと言えるのかと。
 
 JRの新幹線グリーン車に無料で乗れる特権を国会議員は有するが、それはあくまで公用の場合。
 その原則を完全に守っているのか。そうだと言うなら大半はおそらく嘘であろうと。
 
【古典個展】桜よりも国家的問題を 大阪大名誉教授・加地伸行 - 産経ニュース 2019.12.16

 「過(あやま)ちて改めず。是(これ)を過ちと謂(い)う」とある。『論語』衛(えいの)霊公(れいこう)にある言葉である。

 老生、前回の本欄(10月27日付)で今年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏へ贈る自作の祝詩を披露した。その漢詩が句末に踏む韻(いん)の内、第四句末を「鳳凰(ほうおう)」の「鳳」としたが、それは「凰」とすべきであった。
 前記の格言に従い、吉野氏並びに本欄読者諸氏におわび申し上げるとともに、詩句の修正を行いたい。悔謝(かいしゃ)。

 加地伸行、老いたり。さはさりながら、口の悪さは衰えておらず、
最近の国会質問には文句をつけたい
 
その第一は、「桜を見る会」問題である。

 老生、事の詳細は知らない。ただ、安倍晋三首相が自分の知人らを優先して招待し、それも国費を使っているのは、許せないという話のようである。そこから話が大きくなり、公私混同ではないか、と来た。

 では、借問(しゃもん)す。
国会議員諸氏は一度も公私混同したことはないと言(い)い切れるのか

 例えば、国会議員の場合、JRの新幹線グリーン車に無料で乗れる。これはJR前身の国鉄時代の、公用という名分を前提としてのサービスであり、その延長である。しかしそれは、あくまでも公用ということだ。その原則を国会議員は完全に守っているのか。そうだと言うなら大半はおそらく嘘(うそ)であろう。

 老生、かつて国家公務員として国立大学に計29年勤務したが、その間、ずっと公私混同。どういうことかと言えば、老生の私物である書籍を自己の研究室に置いていたことである。
 それがなぜ公私混同であるかと言えば、研究室は公有の国有財産であるから、私物である書籍を長期間にわたって置くこと、すなわち占有することは公私混同であって許されないということなのである。これ本当。
 この原則によれば、日本の国立大学教員のおそらく99%は、公私混同している。

 しかしまぁ、こんな些事(さじ)を槍玉(やりだま)に挙げるメディアはおるまい。それを承知の上で申し上げている。つまり
「桜を見る会」を通じての公私混同論は国立大学教員の研究室における私物書籍による占有の公私混同云々(うんぬん)と同程度の問題である。

 
すなわち国会が取り上げるべき問題ではない。取り上げるとしても、そういった問題を扱うレベルの機関が検討すれば済むことではないか。

 
国の大事を扱う国会が取り上げるべき問題は、あくまでも今日の国家的問題である

 例えば、
中国は虎視眈々(こしたんたん)と尖閣諸島占拠の機を窺(うかが)っているではないか。朝鮮半島有事の際、押し寄せて来る難民にどう対処するのか巨額の赤字に苦しむ医療保険財政の解決法は何か。山積する国家的難問に立ち向かってこその国会ではないのか。

 人間は不完全。「人誰(ひとたれ)か過ち無(な)からんや」(『春秋左氏伝』宣公二年)。大問題をこそ見よ、
「鹿(しか)(大)を逐(お)う者は兎(うさぎ)(小)を顧(かえり)みず」(『淮南子(えなんじ)』説林訓)。それが首相と国会議員とのあるべき真の姿ではないのか。 (かじ のぶゆき)

 国費で開催されている桜の会と、新幹線のグリーン車の無料特権とを引き合いに出しておられるのは、公私混同そのものの指摘もさることながら、ことの軽重を指摘されているのですね。
 大学の研究室に私物の本を長期間置いているご自身や、国立大学教員の99%がそうだという例も取り上げておられます。

 「鹿(大)を逐う者は兎(小)を顧みず」
 人間は不完全。「人誰か過ち無からんや」
 大問題をこそ見よ。それが首相と国会議員とのあるべき真の姿ではないのかと。
 すなわち国会が取り上げるべき問題ではない。取り上げるとしても、そういった問題を扱うレベルの機関が検討すれば済むことではないかとも。

 しかも発端は、週刊誌が取り上げたもので、それを共産党の田村智子議員が国会に持ち込んだ。そして、次々と質問に立つ野党議員の質問は、だんだんとレベルが下がるという質の悪さを指摘されているのは、青山繁晴参議院議員。
 

 国の大事を扱う国会が取り上げるべき問題は、あくまでも今日の国家的問題であると加地名誉教授。
 尖閣諸島占拠の機を窺っている中国。朝鮮半島有事の際、押し寄せて来る難民対策。巨額の赤字に苦しむ医療保険財政の解決法は何か。山積する国家的難問に立ち向かってこその国会ではないのかと。

 冒頭では、『論語』衛霊公にある言葉の、「過ちて改めず。是を過ちと謂う」を掲げておられ、加地名誉教授の過ちがあったことを素直に詫びておられます。
 公私混同のあった安部内閣も、同様に鳩山政権時代に議員枠を設定していた旧民主党も、五十歩百歩で同罪。両者ともに素直に詫びて、改善せよと示唆もしておられるのですね。

 今、米中による世界の覇権争いの「新冷戦時代」に突入。欧州でもブレグジットでEUの変化の時代を迎えています。
 蛸壺のなかで、政局争いに没頭して、TVのワイドショーに話題提供している場合ではありません。

 加地名誉教授がご指摘いただいている課題のほかにも、課題は山積しています。
 習近平の国賓での招致を野党はどう考えているのか。香港やウイグルの問題に、米国議会は与野党一致して法案を可決していますが、野党は日本が対処すべき法案提出の能力はないのか。
 加地名誉教授が問われている国会の質を、高めていただく必要がありますね。



 # 冒頭の画像は、尖閣沖の海警 (下のリンクニュースのものとは異なります)
  尖閣沖の接続水域 中国海警局の4隻航行 | NHKニュース




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