遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

激動の世界情勢 日本の安全保障体制はどう変化すべきか

2019-12-16 00:51:49 | 日本を護ろう
 戦後日本の安全保障の礎となっている日米同盟の命脈が絶たれる日が来るかもしれない。
 米国の核の傘の下、おんぶにだっこで今日に至っている日本の安全保障。
 米国の占領下で作成された憲法の前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と定め、自国の安全保障を、他国民(=米国)に依存してきました。

 トランプ大統領の誕生時に形成された、安倍首相の英断外交で形成された、両国トップの信頼関係で、アメリカファーストの選挙公約通りにつき進むトランプ大統領との間に他国には見られない友好関係が続いてきました。
 米中覇権争いの新冷戦時代に突入した今後、日米同盟の非対称性を指摘するトランプ大統領との日米同盟は、安部・トランプ両首脳の有効関係頼みでは限界に達する可能性は否定できず、備えが必要ですね。
 
 遊爺は、トランプ大統領の登場は、明治の黎明期の黒船到来と同じで、米国におんぶにだっこだった日本の安全保障を見直し、まず自国は自国で護り、足らざるところは、同盟国や友好国と連携する普通の国に脱皮すべきと唱えてきました。
 
 国際政治の構造が一層流動的になり、不安定さを増していく中、日本は従来の日米関係の在り方を前提として捉え続けていいのだろうか。
 国力を漸減させ、リベラルな国際秩序を維持するためのコストを一方的に負担することに対して懐疑的になっている米国は、政策変更は突如行われるかもしれないと警鐘を鳴らしておられるのは、神戸大大学院の簑原俊洋教授。
 
【揺らぐ覇権】「強靱な国家」こそ最大のレガシー 簑原俊洋 - 産経ニュース NATO首脳会議 2019.12.14

 「永続する友好関係もなければ、永遠なる敵もいない。永久に存続するのは国益のみだ」という格言を残したのは、19世紀中葉の英首相、ヘンリー・パーマストンだ。これが正しいなら、戦後日本の安全保障の礎となっている日米同盟の命脈が絶たれる日もいずれ訪れよう。むろん、日米同盟の非対称性にかんがみて、安倍政権は日米貿易交渉で米国に一方的に譲歩したし、来年開始される在日米軍駐留経費をめぐる負担交渉で米国側の要求に応じるであろう。それゆえ、米中対立が先鋭化していくさなかにおいて同盟関係が終焉(しゅうえん)するとは当面想定できない。

 他方、加盟国の負担増を求め、これ以上の話し合いはもはや意味がないと先日の北大西洋条約機構(NATO)会議からひと足先に抜け出たように
米大統領、トランプは従来の同盟関係を軽視し、自らの支持者を念頭において行動している

 国際政治の構造が一層流動的になり、不安定さを増していく中、
日本は従来の日米関係の在り方を前提として捉え続けていいのだろうか
 
米国は国力を漸減させ、リベラルな国際秩序を維持するためのコストを一方的に負担することに対して懐疑的になっているからこそ、政策変更は突如行われるかもしれないのである。

 ここで想起されるのは、泥沼化したベトナム戦争によって傷つき、国力を毀損(きそん)させて自信を喪失させていった1970年代の米国だ。半世紀前、日米関係は米国の安保政策の唐突な基本方針の転換をはじめに米中の電撃和解と金ドル交換停止による二重の
「ニクソン・ショック」の余波にさらされて新たな時代の幕開けを迎えた。それまでの規範を大きく覆す大統領、ニクソンの行動により、日米の信頼関係は動揺し、日本は「試練の時代」を迎えることを余儀なくされた。その淵源(えんげん)にあったのは、ニクソン-キッシンジャー(国務長官)の大戦略での日本軽視だったが、トランプ-ポンペオの大戦略の中で果たして日本はいかなる位置付けを与えられるのだろうか。

 70年代の米国は、自国の防衛負担の軽減をもくろみ、アジアにおける軍事的プレゼンスを縮小させ、代わりに同盟国により多くの負担を求める新方針を打ち出した。これが、日本を動揺させた
「ニクソン・ドクトリン」である。だが、日本はこのときの衝撃をすでに忘却してしまっているのか。

 
「アメリカ・ファースト」に徹する米国に対し、日本に求められるのは、同国が既定路線から突如離脱する可能性は皆無ではないとの現実を踏まえた、機敏かつ能動的な国際政治環境への対応だ。にもかかわらず、安倍政権は「日中は完全に正常な軌道に回帰した」とみなし、中国の国家主席、習近平を国賓として招いて両国の協力関係が一気に強化されることに期待を寄せる。同様に、ロシアとも接近し、実現し得ない北方領土返還に望みを託す

 いずれも
中露の野心を警戒する欧米の外交ベクトルとは方向性を異にする上に、安保をしっかりと自前で手当てできない国家の自主外交など、所詮すぐに限界に達するという常識を無視している。

 米中が電撃接近した70年代とは逆に、中国の誤算によって2020年代は米中が決定的に対立・衝突するシナリオも十分あり得る。その際、国際政治を襲う次なる「ショック」に日本は万全な対応を取れるのか。

 自然災害だけではなく
対外的な安保リスクにも十分耐えられる、「強靱(きょうじん)な国家」への転換が求められよう。否、それは在任期間が憲政史上最長となった日本の政治リーダーに課せられた最重要課題であるのみならず、後世に残さなければならないレガシーではなかろうか。(敬称略)

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 ◆簑原俊洋(みのはら・としひろ) 米カリフォルニア州出身。カリフォルニア大デイビス校卒。神戸大大学院博士課程修了。政治学博士。神戸大大学院法学研究科教授。専門は日米関係、国際政治、安全保障。
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 米国の政策の突然変更は、過去に実績があり、簑原教授が挙げておられるのは、ベトナム戦争によって傷つき、国力を毀損させて自信を喪失させていった1970年代の米国による、ニクソンショック。
 ニクソン-キッシンジャーによる、日本無視の頭越え対中接近。
 
 米国は、歴史の中では、モンロー主義を繰り返していますし、世界の警察を降りた今も、NATOとも負担をめぐり協議していますね。
 ジョン・ボルトン氏は大統領補佐官時に、「我々はモンロー主義という言葉を使うことを恐れない」と述べていたのですね。

 日米関係の頼みの綱の安倍、トランプ両首脳の友好関係。
 最近の安倍首相は、尖閣の領海や接続水域への侵入をエスカレートさせ、香港やウイグルでの自由や人権侵害で世界の非難を浴びる中国の、習近平国家主席を国賓として招いて両国の接近をすすめ、同様に、ロシアとも接近し、実現し得ない北方領土返還に望みを託している。いずれも中露の野心を警戒する欧米の外交ベクトルとは方向性を異にすると、簑原教授。
 少なくとも、トランプ大統領には根回しはされているとは推察しますが、欧米諸国など、世界の主流の流れには逆行する動きです。

 天安門事件で世界が中国に制裁包囲網を敷く中で、天皇訪中を実現させ政治利用し、包囲網に穴を開けた日本。
 習近平の国賓での来日が実現すれば、天皇の訪中の返礼があり得ます。また、天皇の政治利用で、世界の潮流に竿を指すことになりかねません。

 米中の貿易交渉は、大勢は中国が不利ですが、中間選挙を控えるトランブ氏もアキレス腱をかかえ、そこを狙われている。
 
 【主張】米中貿易協議 「改革」迫る手を緩めるな - 産経ニュース

 激動する国際情勢の中、対外的な安保リスクにも十分耐えられる、「強靱な国家」への転換が求められよう。否、それは、日本の政治リーダーに課せられた最重要課題であるのみならず、後世に残さなければならないレガシーではなかろうかと、簑原教授。

 任期の期限が見えてきたせいかどうか、安部首相に変調がうかがえるのは遊爺の素人推測なのでしょうか。

 
 # 暴徒絵の画像は、トランプ大統領と習近平国家主席




  イエギク


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