「逃亡犯条例改正案」に端を発し、「一国二制度」での香港の自治の危機に抵抗するデモへの圧力が強まるなかで行われた、区議会選挙。
直接選挙で民意が最も反映されるのだそうで注目されました。
投票率は、過去最高だった前回の約47%を大きく上回り、70%を超え、結果も選挙前は親中派が 7割を占めた議席が、8割を民主派が占める大逆転となりました。
デモによる混乱で観光客が減るなど経済に影響が出る中、市民の反応が注目されましたが、自由と自治を求める市民の強い意志が示されたのでした。
日本の主要5紙の内、日経以外の4紙が社説で取り上げ、市民の中国の圧力にたいする「一国二制度」を護る強い意志と、中国の圧政とを取り上げる論調は各紙ほぼ同じです。
その中で、読売が「デモ隊にも自制が求められる」と、市民との乖離につながる最近の過激化に警鐘を鳴らし、市民の支持への配慮を求めている点が際立っています。
【主張】香港の区議会選 圧勝の「民意」に歩み寄れ - 産経ニュース
社説:香港の民主派圧勝 民意に応え混乱の収拾を - 毎日新聞
(社説)香港区議選 強権への明確な「ノー」:朝日新聞デジタル
民主派が過半数を占めるのは、1997年に香港が中国に返還された後初めてのことだそうですが、それも、親中派が 7割を占めていた議席を、8割超を獲得する大逆転。速報の途中経過で過半数越えで 6割超えと聞いただけでも驚きましたが、8割超にまでとは!
デモとその弾圧の過激化で、香港経済の疲弊が報道され、デモ隊が大学に立てこもり殲滅される流れの中で、デモより選挙に行こうとの声が広まったとの報道がありました。
日本の安保反対の学生デモが東大に立てこもり殲滅され、ウチゲバが広まり、浅間山荘事件で霧散しました。
香港のデモ隊の過激化には、中国軍か香港警察からまぎれ込んだ輩がいて、市民との離反を謀る過激化行動があるとの声が聞かれました。
日本の素人の私にさえ聞こえてくる中国やその命に従う香港政府の見え見えの工作。現場の香港市民の方々には明確に伝わったからこその投票結果なのでしょう。
本来の雨傘運動で始まった市民に根付いた民主化運動に戻ろうとのデモ参加者の意思と、背後にいる中国の力で抑え込む姿勢が招いた結果。
大学に立てこもったデモ隊が殲滅されましたが、市民の直接選挙で示された民意。
世界が注目していることがわかっているから、天安門事件の時の様に、中国軍を国境でとどまらせざるをえない中共政権。
香港政府は、民主的なプロセスを経て示された民意を重く受け止めねばならないとは、各紙社説の共通の指摘。
香港政府はデモ隊の要求をどこまで受け入れられるかを検討し、対話を通じて事態収拾を図る必要があるとの読売社説の指摘ですが、背後の中国の強硬な「一国二制度」の早期実質消滅姿勢をどこまで説得できるのか。デモ隊の要求する 5項目がどこまで勝ち取れるかは険しい道が想定されます。
米中の貿易戦争が、両国の覇権争いに発展し「新冷戦時代」に突入した今。低迷する国内経済の打開策として展開する「一帯一路」。債務の罠での覇権拡大が露呈。米中貿易戦争での、チャイナプラスワンや脱中国での投資避行。逆風で対日接近し日米の分断を謀る習近平。
「一国二制度」の契約期限切れの2047年に向け、習近平政権またはその傀儡が生き残るのか、香港の民主派市民が生き残るのか、戦いはまだまだ続くのですね。
# 冒頭の画像は、雨傘運動の「女神」と呼ばれた周庭(アグネス・チョウ)氏と、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏
ナンキンハゼの紅葉
↓よろしかったら、お願いします。
直接選挙で民意が最も反映されるのだそうで注目されました。
投票率は、過去最高だった前回の約47%を大きく上回り、70%を超え、結果も選挙前は親中派が 7割を占めた議席が、8割を民主派が占める大逆転となりました。
デモによる混乱で観光客が減るなど経済に影響が出る中、市民の反応が注目されましたが、自由と自治を求める市民の強い意志が示されたのでした。
日本の主要5紙の内、日経以外の4紙が社説で取り上げ、市民の中国の圧力にたいする「一国二制度」を護る強い意志と、中国の圧政とを取り上げる論調は各紙ほぼ同じです。
その中で、読売が「デモ隊にも自制が求められる」と、市民との乖離につながる最近の過激化に警鐘を鳴らし、市民の支持への配慮を求めている点が際立っています。
【主張】香港の区議会選 圧勝の「民意」に歩み寄れ - 産経ニュース
社説:香港の民主派圧勝 民意に応え混乱の収拾を - 毎日新聞
(社説)香港区議選 強権への明確な「ノー」:朝日新聞デジタル
香港区議選 「中国化」を拒む民意の表れだ (11/26 読売 社説)
中国の介入が強まり、自由で開かれた香港の独自性が失われていくことに対し、住民がノーを突きつけたと言えよう。
香港で地方選挙にあたる区議選が行われ、中国政府と香港当局に批判的な民主派が圧勝した。452議席のうち8割以上を獲得した。民主派が過半数を占めるのは、1997年に香港が中国に返還された後、初めてだ。
6月に大規模な抗議活動が始まってから初の主要な選挙だった。投票率は70%を超え、過去最高だった前回の約47%から跳ね上がった。香港の自治が奪われることへの危機感と、警察によるデモ弾圧への反発の強さを示している。
区議会の権限は公共施設の管理など限定的だが、有権者が直接投票できる数少ない機会のため、関心を集めたのだろう。香港トップの行政長官は間接選挙で、中央議会に相当する立法会の議員も直接選挙の枠は半数にとどまる。
民主派からはデモの指導者や参加者が多く出馬し、選挙をデモ隊の要求の是非を問う「住民投票」と位置づけた。デモ隊は警察官による暴力の責任追及や、選挙制度改革などを求めている。圧勝を受け、勢いづくのは間違いない。
親中派はデモによる混乱を批判し、「暴力を停止させる」と訴えたが、議席を激減させた。
香港政府は、民主的なプロセスを経て示された民意を重く受け止めねばならない。
選挙改革は中国政府の同意が前提となるが、警察の弾圧に対する調査は、香港政府が独自に実施することができる。香港政府はデモ隊の要求をどこまで受け入れられるかを検討し、対話を通じて事態収拾を図る必要がある。
デモ隊にも自制が求められる。民主派候補に投票した人も、過激なデモや暴力を肯定したわけではないだろう。選挙前には、デモ隊による交通妨害などで都市機能が麻痺まひした。同様の事態が繰り返されれば支持を失いかねない。
中国政府は、香港への強硬姿勢を改める機会とすべきである。
香港政府がデモ抑圧のために施行した覆面禁止規則について、香港の裁判所は「違憲」と判断したが、中国は判断を容認しない考えを示す。独立した司法制度は「一国二制度」の柱だ。中国の対応は住民の一層の離反を招こう。
米議会は「香港人権・民主主義法案」を可決した。中国の香港への介入を牽制けんせいする狙いがある。中国が「外部勢力の干渉だ」と反発を続ければ、米中対立がさらに先鋭化するのは避けられまい。
中国の介入が強まり、自由で開かれた香港の独自性が失われていくことに対し、住民がノーを突きつけたと言えよう。
香港で地方選挙にあたる区議選が行われ、中国政府と香港当局に批判的な民主派が圧勝した。452議席のうち8割以上を獲得した。民主派が過半数を占めるのは、1997年に香港が中国に返還された後、初めてだ。
6月に大規模な抗議活動が始まってから初の主要な選挙だった。投票率は70%を超え、過去最高だった前回の約47%から跳ね上がった。香港の自治が奪われることへの危機感と、警察によるデモ弾圧への反発の強さを示している。
区議会の権限は公共施設の管理など限定的だが、有権者が直接投票できる数少ない機会のため、関心を集めたのだろう。香港トップの行政長官は間接選挙で、中央議会に相当する立法会の議員も直接選挙の枠は半数にとどまる。
民主派からはデモの指導者や参加者が多く出馬し、選挙をデモ隊の要求の是非を問う「住民投票」と位置づけた。デモ隊は警察官による暴力の責任追及や、選挙制度改革などを求めている。圧勝を受け、勢いづくのは間違いない。
親中派はデモによる混乱を批判し、「暴力を停止させる」と訴えたが、議席を激減させた。
香港政府は、民主的なプロセスを経て示された民意を重く受け止めねばならない。
選挙改革は中国政府の同意が前提となるが、警察の弾圧に対する調査は、香港政府が独自に実施することができる。香港政府はデモ隊の要求をどこまで受け入れられるかを検討し、対話を通じて事態収拾を図る必要がある。
デモ隊にも自制が求められる。民主派候補に投票した人も、過激なデモや暴力を肯定したわけではないだろう。選挙前には、デモ隊による交通妨害などで都市機能が麻痺まひした。同様の事態が繰り返されれば支持を失いかねない。
中国政府は、香港への強硬姿勢を改める機会とすべきである。
香港政府がデモ抑圧のために施行した覆面禁止規則について、香港の裁判所は「違憲」と判断したが、中国は判断を容認しない考えを示す。独立した司法制度は「一国二制度」の柱だ。中国の対応は住民の一層の離反を招こう。
米議会は「香港人権・民主主義法案」を可決した。中国の香港への介入を牽制けんせいする狙いがある。中国が「外部勢力の干渉だ」と反発を続ければ、米中対立がさらに先鋭化するのは避けられまい。
民主派が過半数を占めるのは、1997年に香港が中国に返還された後初めてのことだそうですが、それも、親中派が 7割を占めていた議席を、8割超を獲得する大逆転。速報の途中経過で過半数越えで 6割超えと聞いただけでも驚きましたが、8割超にまでとは!
デモとその弾圧の過激化で、香港経済の疲弊が報道され、デモ隊が大学に立てこもり殲滅される流れの中で、デモより選挙に行こうとの声が広まったとの報道がありました。
日本の安保反対の学生デモが東大に立てこもり殲滅され、ウチゲバが広まり、浅間山荘事件で霧散しました。
香港のデモ隊の過激化には、中国軍か香港警察からまぎれ込んだ輩がいて、市民との離反を謀る過激化行動があるとの声が聞かれました。
日本の素人の私にさえ聞こえてくる中国やその命に従う香港政府の見え見えの工作。現場の香港市民の方々には明確に伝わったからこその投票結果なのでしょう。
本来の雨傘運動で始まった市民に根付いた民主化運動に戻ろうとのデモ参加者の意思と、背後にいる中国の力で抑え込む姿勢が招いた結果。
大学に立てこもったデモ隊が殲滅されましたが、市民の直接選挙で示された民意。
世界が注目していることがわかっているから、天安門事件の時の様に、中国軍を国境でとどまらせざるをえない中共政権。
香港政府は、民主的なプロセスを経て示された民意を重く受け止めねばならないとは、各紙社説の共通の指摘。
香港政府はデモ隊の要求をどこまで受け入れられるかを検討し、対話を通じて事態収拾を図る必要があるとの読売社説の指摘ですが、背後の中国の強硬な「一国二制度」の早期実質消滅姿勢をどこまで説得できるのか。デモ隊の要求する 5項目がどこまで勝ち取れるかは険しい道が想定されます。
米中の貿易戦争が、両国の覇権争いに発展し「新冷戦時代」に突入した今。低迷する国内経済の打開策として展開する「一帯一路」。債務の罠での覇権拡大が露呈。米中貿易戦争での、チャイナプラスワンや脱中国での投資避行。逆風で対日接近し日米の分断を謀る習近平。
「一国二制度」の契約期限切れの2047年に向け、習近平政権またはその傀儡が生き残るのか、香港の民主派市民が生き残るのか、戦いはまだまだ続くのですね。
# 冒頭の画像は、雨傘運動の「女神」と呼ばれた周庭(アグネス・チョウ)氏と、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏
ナンキンハゼの紅葉
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