遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

来年・令和2年の習近平の国賓招聘は延期せよ

2019-11-26 01:58:58 | 東シナ海尖閣諸島
 世界最大の独裁政権の独裁者を、昨今の情勢のなか国賓として呼ぶのには、日本国民の賛意は得られているのでしょうか。
 ウイグル人を百万人単位で強制収容所に送り込み、あたかもナチスドイツのユダヤ人抹殺と同様な措置を取る習近平。
 人権を無視し続け、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏を事実上獄死させた習近平。
 「一帯一路」政策の債権の罠で諸国を侵略し続ける習近平。
 仲裁裁判所の裁定を無視して、南シナ海で軍事力を背景に人工島を建設し領土・領海を設定し軍事基地建設をすすめた習近平。
 「一国二制度」の契約期限内にも関わらず、中国の制度下に収めようとする習近平。
 毛沢東以来の台湾平定の実現を目指す習近平。
 東シナ海のEEZ境界のガス田を軍事力で占拠(胡錦涛時代に開始)、尖閣諸島への侵略をエスカレートさせ続けている習近平。
 日本の重要な同盟国の米国と覇権争いを続け、「中華の夢」実現を目指し「新冷戦時代」を産んでいる習近平。

 そんな習近平を、何故、今、国賓として招聘するのか。それは日本国民が歓迎することなのでしょうか。
 静岡大学楊海英教授が声を上げていただいています。
 
【正論】「国賓」習氏は政権の首を絞める 文化人類学者・静岡大学教授・楊海英 - 産経ニュース 2019.11.25

<前略>

≪民主主義の日本と相容れず≫

 そもそも
世界最大の独裁政権の独裁者を国賓として呼ぶのには、国民の合意と理解を得なければならない。これは民主主義制度下では当然の手続きである。その国民の意思を軽視するのは、長期政権の驕(おご)りにみえる。

 21世紀の現在、なぜ、特定の民族、ウイグル人を百万人単位で強制収容所に送り込み、あたかもナチスドイツのユダヤ人抹殺と同様な措置を取るのか。どうして人権を無視し続け、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏を事実上獄死させたのか。そして、英国が租借していた香港を復帰させた際には「50年間高度の自治政策は変わらない」と高らかに宣言しながら、「英国と交わした公文書はもはや歴史の屑箱(くずばこ)に捨てられるものだ」との詭弁(きべん)に転じ、市民と学生に向けて発砲するようになってきた。
日本の領土である尖閣諸島海域にはほぼ毎日のように公船を侵入させ続ける狙いはどこにあるのか

 
中国が国内外に対して取っている行動は、民主主義制度が定着した日本とは相容(あいい)れないものばかりである。それにも関わらず密室で決定された独裁国家の独裁的指導者を招待する政策は民意を完全に否定するあるまじき行為である。

 おりしも、一部で根強い支持を誇る日本共産党は党綱領を改定し、中国の異質な行動を批判する姿勢をみせている。リベラル層は当然、こうした野党の行動を一層評価するにちがいない。
保守層はもともと、習氏を国賓として招待した自民党政権に強い不満を抱いている。となると、次期衆議院選挙において、驕りと弛(ゆる)みに陥った自民党議員、それも中国に宥和(ゆうわ)的な議員たちに対し、厳しい審判が与えられるだろう。日本国民の8割が中国に好意的な印象を抱いていないという世論調査を受け止めた方がいい。

≪世界の潮流に逆行する≫

 現代中国は日本にとって、常に鬼門のような存在である。それは、日本が明治期から「脱亜」を実現できたのに対し、
古い「亜細亜」の代表格である中国はずっと専制主義と強権体制の塊のような性質を放棄していないからである。「中国の亜細亜的後進性は革命を経ても変わらない」、とマルクスやウィットフォーゲル(『東洋的専制主義』)らも予想していた。日本は西洋由来の思想と制度を駆使して独自の近代化を実現させたし、ウイグルやチベット、それにモンゴルなどの諸民族も西方の文明に親和性を感じ、「亜細亜的後進性」との政治的関係を断ち切ろうとしたために、歴世の中国政府から弾圧されてきた。

 
中国は自らの「亜細亜的後進性」を死守し、さらにはその後進性・独裁制を世界に広げる目的で中華周辺の諸民族を虐待し続けているし、近隣諸国にも侵略の手を伸ばしてきたのである。こうした「亜細亜的後進性」を拒絶せずに、かえって助長しようとする今の自民党政権は世界の潮流と逆行していると言わざるを得ない。

 日本国民は誰も習近平氏の中国と断交せよとは主張していない。
2020年という特別な年に、国賓としての来日が不適切だ、との心情は国民に共有されている。というのも、来年には平和の祭典、オリンピック・パラリンピックが東京で開催される。前回、即(すなわ)ち1964年の東京オリンピックの年に中国は原爆実験を行い、国際平和に水を差した。今回は独裁者の来日で国民の平和を愛する気持ちに冷水を浴びせようと自民党はもくろんでいるようにすら見える。

≪対中外交の抜本的練り直しを≫

 平和祭典の熱気を冷ますだけではない。
来年令和2年は、今上陛下の治世が世界に向けてスタートする。というのも、令和元年には即位を含めた諸種の宮中行事が重なり、両陛下の外国訪問も次年度以降になる見通しだ。習氏の来訪が決まると、宮中晩餐(ばんさん)会も催さなければならないし、恐らくは両陛下の訪中も要請されるだろう。外交儀礼上、要請に応じられた場合は独裁国家への訪問が陛下即位後の最初の外国旅行になる。

 これは、
令和時代の幕開けに不適切な、天皇の政治利用である、と国民の誰もがそう考えている。五輪後の日本はどういう方向に向かうのか。次の目標は何なのか。もともと、国民には漠然とした一抹の不安があったが、自民党政権には次のビジョンが見えていないのだろうか。

 
日本の対中宥和的姿勢に対し、同盟国の米国が心底どう考えているのかも問題である。こうした不安は「国賓」習氏の来訪によってさらに増幅されるだろう。自民党政権がこのまま何人かの親中派議員に牛耳られているかぎり、国家戦略は見えず、次の選挙は危うい。国家百年の大計を誤らず、今一度、対中外交を抜本的に練り直すことが求められている

 中国が国内外に対して取っている行動は、民主主義制度が定着した日本とは相容れないものばかりである。それにも関わらず密室で決定された独裁国家の独裁的指導者を招待する政策は民意を完全に否定するあるまじき行為であると、過激な論調の楊海英教授。
 指摘いただいている、自由主義国とは相いれない習近平の所業に対する、国賓としての招聘は、国民の民意に沿うものなのか。「新冷戦時代」に突入し、与野党が一致してその覇権拡大に対抗している、重要な同盟国の米国との共同戦略に沿うものなのか。「一国二制度」を期限前に潰そうと香港への軍事力を背景とした警察力で圧力を強める習近平に対する世界の注視の眼に沿うものなのか。
 この点の、拙速な独走気味な安倍政権の招聘推進には、国民が声をあげるべきです。

 古い「亜細亜」の代表格である中国はずっと専制主義と強権体制の塊のような性質を放棄していない。「中国の亜細亜的後進性は革命を経ても変わらない」、とマルクスやウィットフォーゲルらも予想していたと、楊海英教授。
 武力による交代はあったものの、古くから皇帝による統治が続いた中国。
 近年、日清戦争、国共戦争を経て、共産党の一党支配となっているのが今の中国。毛沢東の独裁の反省で、集団指導体制を鄧小平が構築しましたが、習近平が定年制度を廃止させ、毛沢東時代の専制体制に戻しつつありることは、諸兄がご承知の通りです。
 
 日本と戦う国民党が消耗した隙をみて内戦で政権を横取りした中国共産党。
 太平洋戦争の終焉での棚ボタで独立国となった韓国同様に、国家誕生の正統性が薄弱で、国民の統率に「反日」を掲げるしかない中国共産党。
 しかし、鄧小平の日本を手本とした独自の経済発展路線を成功させ、日本を抜いて世界第二位の経済大国となりました。

 さらに「中国の夢」を掲げ、肥大化させた軍事力を背景に、札束外交を展開し、世界制覇を目指す習近平。
 そのたくらみに気づき、与野党が一致して備える米国との「新冷戦時代」への突入で、日米同盟の分断を遠謀して、日本接近に転じた習近平。

 その中共の内部事情を知ってか知らずか(知らないはずはないのに)、安倍首相は「一帯一路」戦略への一部加担を表明していましたが、今回は習近平の国賓としての招聘。
 天安門事件で、世界が制裁網を展開するなかで、天皇の訪中を実現させ制裁網破りを犯した日本。今、東シナ海のガス田どころか、尖閣諸島への侵略を受けています。
 
 その情勢で、国賓での来日で、天皇との面会の写真や、天皇の返礼訪問での面会の写真が世界に流される。
 香港の騒動の中、「新冷戦時代」で米中対立がエスカレートする中、その写真は天安門事件制裁包囲網を崩した天皇訪中の効果の再現となります。
 日本への信頼が失墜します。
 北朝鮮への制裁の国連の動きを米国とともに主導している日本の説得力はなくなります。
 ロシアに対し西欧諸国が主導する制裁に対し、経済協力に応じる動きをした安部政権ですが、その目的の四島返還は、いまやゼロ島返還となり、経済協力だけが残される、大失政となっています。

 尖閣諸島への侵略。ローマ教皇までも取り込む台湾併合への締め付け、ウイグル、チベット、香港で展開される人権無視を通り越した民族や地域の消滅、南シナ海にとどまらない世界に広げられている覇権拡大。
 これらの状況のエスカレートが進む中での習近平の国賓招致は、中国に対しても、同盟国の米国にとどまらず、世界の国々に対しても、日本への誤解を産んだり信頼を失う行為となります。

 習近平の国賓招致は延期すべきです。すくなくとも、香港の情勢(区議会議員選挙では民主派が大勝)が、世界が納得する形で収まるまでは。

 楊海英教授は、自民党政権のガバナンス能力の衰えが見え出したのはほかでもない中国の国家主席、習近平氏を来春に国賓として招待すると発表してからではないか、との見方が出ていると指摘されていますが、それは強引なこじつけでしょう。

 党内の親中、媚中議員や、ローマ教皇と同様に中国の大人口に注目する創価学会の公明党などの動きはありますが、自民党の内外に、この時期の招聘に反対する意見は多くあります。

 中国主席の国賓来日に反対 自民有志「護る会」の決議全文  - 産経ニュース
 習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由、魂胆は「天皇の政治利用」 | ダイヤモンド・オンライン



 # 冒頭の画像は、二階幹事長と習近平 (2015年5月)



  ナンキンハゼ
 

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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?




 

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