遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

プーチン氏圧勝 24年間、ロシアの実権を握る見通し

2018-03-21 01:38:43 | つぶやき
 ロシア大統領選で、プーチン大統領が過去最高の得票率で圧勝し、2000年の初当選から通算4期目に入り、首相時代を含めて24年間、ロシアの実権を握る見通しとなりました。
 過去最高の得票率で圧勝したのは、欧米に対して強硬姿勢を維持し、ロシアへの愛国心の下で国民を結束させた結果なのだと。
 ゆえに懸念されるのは。有権者の「信任」を得たことで、プーチン氏が強硬外交を維持する可能性が高まったことだと指摘するのは、読売社説。
 
プーチン氏圧勝 「強権」継続では安定を築けぬ (3/20 読売 社説)

 ロシアへの制裁を強める米欧と対立したまま、経済の停滞から脱し、国民生活を安定させることはできまい。強硬路線をいつまで続けるのか。露大統領選でプーチン大統領が再選された。2000年の初当選から通算4期目に入る。首相時代を含めて24年間、ロシアの実権を握る見通しとなった。
 得票率は7割を超えた。
政敵の出馬を認めず、国営メディアや国営企業を総動員する強権的な手法で圧勝した。勝利宣言で「国民の信頼と希望の表れだ」と述べ、団結を呼びかけた。
 
懸念されるのは、有権者の「信任」を得たことで、プーチン氏が強硬外交を維持する可能性が高まったことだ
 大統領選の投開票日は、4年前にロシアがウクライナのクリミア半島を併合した18日に設定された。愛国心を鼓舞し、自らへの支持につなげる狙いは明白だ。
 国際秩序を不安定化させた
「力による現状変更」を政権の実績として誇示し、選挙に利用する姿勢は看過できない。
 米欧との対立は、大統領選の最中に一層深まった。
 英国に亡命したロシア軍の元情報機関員と娘が、不審な物質に触れて意識不明となった。メイ英首相は「旧ソ連が開発した神経剤が犯行に使われた」として、ロシアの関与を指摘し、外交官追放などの措置を取った。
 米独仏首脳も足並みをそろえてロシアを非難した事実は重い。トランプ米政権は、16年米大統領選でのロシアのサイバー攻撃に対する制裁を初めて発動した。
 エネルギー資源に依存するロシア経済は、クリミア併合後の制裁で打撃を受け、低成長や格差拡大に国民の不満はくすぶる。
 
プーチン氏は核戦力増強で米国に対抗する構えだが、「強いロシア」のアピールだけで求心力を維持するのは困難だろう。
 
日本にとって、対露外交の最大の懸案は北方領土問題だ。
 
プーチン氏は在日・在韓米軍への牽制として、国後・択捉両島に地対艦ミサイルを配備してきた。「島を引き渡せば、米軍が駐留する可能性がある」とも主張する。米露の対立激化が領土問題に波及しているのは間違いない。
 安倍首相は5月に訪露し、プーチン氏と通算21回目の会談に臨む。両首脳は、北方4島での日露両国による「共同経済活動」で合意している。首相は、日本との経済協力の意義を粘り強く伝え、進展を図るべきだ。

 
 
露大統領選 「外的の脅威」圧勝後押し (3/20 読売朝刊)

 【モスクワ=畑武尊】18日投開票のロシア大統領選で、プーチン大統領が過去最高の得票率で圧勝したのは、欧米に対して強硬姿勢を維持し、ロシアへの愛国心の下で国民を結束させた結果だ。大統領通算4期目となるプーチン政権は、対外関係の改善による経済再建が喫緊の課題でもあり、高揚した愛国心と外交の柔軟性とのバランスに苦慮しそうだ。

プーチン氏、都市で得票増
 「前進するために、一体性が必要だ」。プーチン氏は18日深夜、勝利宣言をしたモスクワ中心部で開かれた集会で、支持者約3万5000人の前で
国民の団結を強調した
 プーチン政権は大統領選で
「投票率と得票率、70%」を目標としてきた。目標を達成すれば、政権側有権者のほぼ半数の支持を得たとして、長期政権でも国民の信任を得ていると国内外にアピールする狙いだ。今回の得票数は、5600万以上で、全有権者の半数を超えた。投票率は中間発表で67%と目標に届かない見通しだが、前回を2ポイント上回った。
 プーチン氏の大統領選での過去最高の得票率は、人気絶頂とされる中、再選を果たした2004年の約71%だった。それを上回った最大の要因は、プーチン氏が
「ロシアは外敵に脅かされている」と訴え、国内をまとめたことだ。2014年のウクライナ南部クリミア併合で、欧米から経済制裁を受けて以後、プーチン氏は語気を強めた。
 昨年12月の大統領選出馬表明後も、ロシアには「外敵の脅威」と映る出来事が相次いだ。先月の平昌五輪には、国ぐるみのドーピング問題で国としての出場が禁じられた。大統領選前には、英国で、ロシア軍情報機関の元大佐らが神経剤で襲撃される事件が起き、英国や米国は「ロシアに責任がある」と非難した。
 プーチン氏は、これまで比較的得票率が低かった都市部でも大幅に票を伸ばし、モスクワでは前回より23ポイント以上も増えた。政治評論家のアレクセイ・マカルキン氏は「有権者の多くが『攻撃されている』という意識を持った」ことを要因に挙げる。併合したクリミアでの得票率は9割を超えた。
 
外敵の脅威をあおり立てる手法は、求心力維持には「もろ刃の剣」でもある。経済を立て直して国民の暮らしを向上させるのは最重要課題だ。欧米と関係を改善し、制裁の緩和や解除を実現しなければ、外国からの投資は引き出せない。

「真の競争欠如」 監視団派遣のOSCE
 【モスクワ=畑武尊】ロシア大統領選に選挙監視団を派遣した全欧安保協力機構(OSCE)は19日、中央選管に出馬を認められなかった候補者が相次いだと指摘し、「本当の選択肢はなく、真の競争は欠如していた」と結論づけた。

欧州 注文相次ぐ
 【ブリュッセル=横堀裕也、ベルリン=井口馨】ロシア大統領選でプーチン大統領が再選を決めたことについて、ドイツのマース外相は19日、「ロシアが困難なパートナーであり続けることに変わりはない。一方で、国際紛争の解決に向けて必要な国であり、より建設的な貢献を望んでいる」と注文をつけた。
 一方、ブリュッセルで同日開かれた欧州連合(EU)外相理事会では、英国に亡命したロシア軍の情報機関の元大佐らが神経剤で襲撃された事件を巡り、ロシアに説明責任を果たすよう求める声明を発表した。

メイ氏コメントせず
 英国のメイ首相の報道官は19日、プーチン氏が圧勝したロシア大統領選について「全欧安保協力機構(OSCE)の監視団が評価を示すまで、いかなるコメントも控える」と述べた。ロシア軍の元大佐と娘が襲撃された事件を巡り、英国とロシアは厳しく対立している。

米露改善トランプ氏動けず
 【ワシントン=黒見周平】トランプ米大統領は当初、オバマ前政権下で冷却化した米露関係改善を目指していたが、ロシア政府の関与が断定された2016年米大統領選への干渉問題や、一連のロシア疑惑で身動きが取れない状況が続く。トランプ氏は18日のロシア大統領選の結果について反応を示していない。
 両国関係は、シリアやウクライナ問題などではむしろ対立が深まり、トランプ政権が昨年12月に示した国家安全保障戦略では、ロシアを中国と並ぶ「現状変更勢力」と位置付けた。それでも「強い指導者」を好むトランプ氏自身は、ロシアのプーチン大統領と信頼関係を深めたいとの思いを持っているとみられ、対応が注目される。

 政敵の出馬を認めず、国営メディアや国営企業を総動員する強権的な手法で圧勝したプーチン大統領。
 全欧安保協力機構(OSCE)は、中央選管に出馬を認められなかった候補者が相次いだと指摘し、「本当の選択肢はなく、真の競争は欠如していた」と結論づけたのですね。
 ドイツのマース外相は19日、「ロシアが困難なパートナーであり続けることに変わりはない。一方で、国際紛争の解決に向けて必要な国であり、より建設的な貢献を望んでいる」と複雑な評価。
 EU外相理事会では、英国に亡命したロシア軍の情報機関の元大佐らが神経剤で襲撃された事件を巡り、ロシアに説明責任を果たすよう求める声明を発表し、メイ首相は、「全欧安保協力機構(OSCE)の監視団が評価を示すまで、いかなるコメントも控える」と対立姿勢を崩していません、
 一連のロシア疑惑で身動きが取れない状況が続くトランプ大統領は、18日のロシア大統領選の結果について反応を示しておらず、米露関係も固まったまま。

 対外強硬路線のアピールで当選を果たしたものの、逆に、今後も強硬外交を維持せざるを得ない可能性が高まったとの評価。
 一方、エネルギー資源に依存するロシア経済は、クリミア併合後の制裁で打撃を受け、低成長や格差拡大に国民の不満はくすぶり続けていて、経済を立て直して国民の暮らしを向上させるのは最重要課題。制裁の緩和や解除を実現し、資源輸出販路拡大や、海外からの投資を呼び込み、資源依存低減も課題。

 安倍首相とプーチン大統領との親しいとされる関係での領土問題解決に向けた動きも、経済支援が優先傾向にあり、領土問題は選挙後のプーチン大統領の政権基盤が固まるまでと先送りされていましたが、再開は可能なのか。
 先送りの間、国後・択捉両島に地対艦ミサイル配備が進み、実効支配は強化されてしまい、「島を引き渡せば、米軍が駐留する可能性がある」との声が台頭してきた今日。
 経済支援だけ獲られて、領土問題解決は遠のくことは許されません。
 安倍首相は5月に訪露し、プーチン氏と通算21回目の会談に臨むとのことですが、前回のプーチン大統領来日での惨敗の交渉結果とならないよう、脇を締めて望んでいただきたい。



 # 冒頭の画像は、18日、モスクワ中心部の広場で開かれた集会で演説するプーチン大統領




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交





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