遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

宇宙開発の米中交流は、米国先端技術の対中移転と非難

2011-11-05 00:37:21 | 中国 全般
 中国は小型宇宙実験室「天宮1号」と、無人宇宙船「神舟8号」の自動制御による初のドッキング実験に成功し(3日)、2020年頃の実現を目指す大型宇宙ステーションの建設に向け、大きく歩を近づけたことは、諸兄がご承知の通りです。
 これと時を前後して、2日米下院外交委員会の監視調査小委員会で、「米国の先端技術の対中移転」と題する公聴会が開かれ、オバマ政権が中国当局との間で宇宙開発計画の交流をしているのは議会がすでに可決して今年 4月に大統領が署名した2011年度の歳出権限法や不足金請求禁止条項に違反するとした議論が戦わされたのだそうです。

 中国 ドッキング成功 無人宇宙船と実験室 有人宇宙基地建設へ前進 / 西日本新聞
 
宇宙開発 「米中交流」に非難続出 技術流出・軍事目的に懸念 (11/4 産経)

 【ワシントン=古森義久】米国議会下院の2日の公聴会でオバマ政権の中国との宇宙計画交流の是非が論じられ、共和党側からは同政権が議会の規定に違反して中国側と協力を進め、軍事転用が可能な高度技術流出の危険を冒しているという非難が続出した。

 下院外交委員会の監視調査小委員会(デーナ・ローラバッカー小委員長)が同日開いた「米国の先端技術の対中移転」と題する公聴会には、外交委員会の共和党側有力メンバーのフランク・ウルフ議員が証人として立ち、「オバマ政権が中国当局との間で宇宙開発計画の交流をしているのは議会がすでに可決して今年4月に大統領が署名した2011年度の歳出権限法や不足金請求禁止条項に違反する」と述べた。
 同議員の証言によれば、中国の宇宙開発計画は一貫して人民解放軍の管轄下で進められ、米国から高度技術が流れた場合、宇宙の軍事利用や長距離ミサイル誘導という軍事目的に使われる公算が大きいため、
米議会は米中両国の宇宙開発に関する交流への支出を禁じる条項を歳出権限法に盛り込んだという。
 しかしウルフ議員は米航空宇宙局(NASA)のチャールズ・ボールデン長官や大統領府科学技術政策局のジョン・ホルドレン局長が今年4月以後に
訪中して中国当局との宇宙計画の交流を進めた、と証言した。
 この証言について議会会計検査局のトーマス・アームストロング顧問は「ボールデン長官らが連邦政府予算を使って、その
対中交流を実行したことは歳出権限法などに違反する」との見解を示した。
 ところがボールデン、ホルドレン両氏は「米国政府は外国政府との交流や協議は行政府独自の権限で着手してよいことが憲法で認められている」との解釈を述べ、中国との宇宙計画交流は意義があると強調した。
 これに対し、ローラバッカー議員は「自国民の人権を弾圧し、米国の軍事機密を盗み、軍事拡張を続ける中国は宇宙開発も軍事目的であり、非常に危険だ」と述べて、オバマ政権への批判を表明した。

 中国に限らず、米国もロシアもその他の国々も軍事利用が目的の一つであることは、議論の余地はないでしょう。日本も偵察衛星(文末のリンクを参照ください。)は打ち上げています。
 宇宙空間でのドッキングという、高度で繊細とされる技術を成功させたことで、大型宇宙ステーションの建設の目途をつけた中国は、米露日が合同で進めている宇宙ステーションに一国で対抗することを可能にしています。バブルが弾けなければとの条件がつきますが...。

 新幹線の技術や、ITや家電、自動車他の工業製品などでは、先進国の模倣が多い中国も、ミサイルの軍事技術は、米空母を追跡破壊すると言われる「対艦弾道ミサイル・東風21D」の様に先端技術を有しており、衛星を破壊するミサイルでも波紋を広げていましたし、衛星打ち上げロケットでは安定した実績を誇っていますね。
 なので、どれだけの米国の技術を必要としているのかは不明ですが、議会で漏洩を懸念するのは当然の話ですね。
 まして、記事でも述べられている様に、「自国民の人権を弾圧し、軍事拡張を続けている」危険な国なのですから。

 ASEAN各国 + 日豪印と連携し、中国包囲網を形成(民主党政権の日本は脱落気味ですが)する一方、クリントン長官が、今後は、アジア太平洋の「3つの巨人」=米中印の緊密な連携を重視すると論文を書くなど、硬軟織り交ぜた姿勢を示す米国。

 戦いの場が、宇宙へ、サイバー空間へ、為替レートへと広がっている今日、民主党政権の日本は、それぞれについていけているのでしょうか。いいえ、どんどん脱落して坂をころげおちているのです。


 日本の偵察衛星、「4基一体」でアジアへの監視強化(1)=中国 2011/10/15(土) 17:16:53 [サーチナ]
 日本の偵察衛星、「4基一体」でアジアへの監視強化(2)=中国 2011/10/15(土) 17:16:02 [サーチナ]


 # 冒頭の画像は、運搬ロケット「長征2号F」で打ち上げられる無人宇宙船「神舟8号」



  この花の名前は、ヤマトリカブト (撮影場所=六甲高山植物園)

↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia


中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義
暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11月3日(木)のつぶやき | トップ | どじょうがリーダーシップ発... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事