遊爺雑記帳

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バイデン氏の対中貿易戦略は期待外れ

2021-10-10 01:55:33 | 米国 全般
 キャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表が4日に戦略国際問題研究所(CSIS)で行った講演から判断して、ジョー・バイデン大統領の対中貿易戦略はトランプ氏のものと見分けがつかない。タイ氏の発言は大いに期待されていたが、中身のないものだったとWSJ・社説。
 
【社説】バイデン氏の対中貿易戦略は期待外れ - WSJ 2021 年 10 月 5 日

ドナルド・トランプ前米大統領の対中貿易戦略にどのような欠点があったとしても、少なくとも同氏には戦略があった。キャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表が4日に戦略国際問題研究所(CSIS)で行った講演から判断して、ジョー・バイデン大統領の対中貿易戦略はトランプ氏のものと見分けがつかないタイ氏の発言は大いに期待されていたが、中身のないものだった

 
タイ氏は、中国がトランプ前政権と交わした貿易に関する「第1段階の合意」の条件を順守していないと述べた。第1段階の合意には、知的財産権や技術移転、米国製品の購入に関する取り組みのほか、農業や金融サービス市場へのアクセス向上が含まれている。中国が具体的にどの条件を守っていないのかについては、言及しなかった

 しかし、タイ氏は「米国の経済的利益を有害な政策と慣行から保護するために、われわれの持てる全てのツールを活用し、必要な新ツールを開発して行く」ことは約束した。具体的なツールについては、「通商法301条」に基づく調査と追加関税が考えられるが、タイ氏はやはり言及しなかった。

 
バイデン氏の対中アプローチは、トランプ氏のそれとどう違うのかタイ氏は、バイデン政権が「二国間や地域的、多国間の関与を通じて、同盟関係を強化する」と発言。その一例として、今夏にボーイングとエアバスへの補助金を巡る17年に及ぶ欧州連合(EU)との争いで和解に達したことを挙げた。それは結構なことだが、それ以外については言及しなかった

 
バイデン氏は、欧州製の鉄鋼とアルミニウムに対してトランプ氏が発動した関税を維持しているが、これは米企業に悪影響を与え、対中国で同盟国と統一戦線を張るのを難しくした。しかし、タイ氏は関税の解除を約束しようとはしなかった。「(欧州との)緊張状態を受け止め、それをうまく処理し、パートナーシップと連携に変えていく」というのが同氏のプランだ。だが、これは夫婦関係のカウンセリングではない。

 
トランプ氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するという戦略的・経済的失態を犯した。これによって、同地域の米国の経済的影響力は弱まり、他国はTPPを「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」へと前進させた中国は先月、CPTPPへの加入を申請した。これにバイデン大統領はどう対応するのか

 
タイ氏は感傷的な外交論で応じた。「CPTPPのベースとなっているTPPは、数年前に交渉されたものだ(中略)その間に世界経済は、私たちが本当に注意を払わなければならない現実を見せつけた。したがって、インド太平洋地域のパートナーや同盟国への継続的な投資や関与という点で私たちがすべきことは、今日目の当たりにしている現実や課題に全面的に関与・対処することだ」

 また、
中国の略奪的な貿易慣行を変えることは可能だと思うかとの質問に対しては、「人生のほかのことと同じように、行きたい方向に行けていないのであれば、どう軌道修正するかは、出発点を確認して見極める必要がある」と回答。バイデン政権のアプローチは「配慮を非常に重視している」と述べた。

 
こうして見ると、バイデン政権は強気な物言い以外に対中戦略を持っていないようだそれは、政権が対中国に関して、英グラスゴーで来月開催される気候変動会議の前に、二酸化炭素(CO2)排出量の削減について約束を取り付けることを主な(そして唯一の)優先事項にしているからかもしれない

 しかし、
そうだとしてもホワイトハウスは、中国以外の国との貿易戦略も持っていないように見える。EU離脱後の英国との協定さえ締結できていない。何ともがっかりだ

 
 キャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表が4日に戦略国際問題研究所(CSIS)で行った講演から判断して、ジョー・バイデン大統領の対中貿易戦略はトランプ氏のものと見分けがつかない。
 中国がトランプ前政権と交わした貿易に関する「第1段階の合意」の条件を順守していないと述べた。ただし、中国が具体的にどの条件を守っていないのかについては、言及しなかった。
 
 バイデン氏の対中アプローチは、トランプ氏のそれとどう違うのか。タイ氏は、バイデン政権が「二国間や地域的、多国間の関与を通じて、同盟関係を強化する」と発言。その一例として、今夏にボーイングとエアバスへの補助金を巡る17年に及ぶ欧州連合(EU)との争いで和解に達したことを挙げた。それは結構なことだが、それ以外については言及しなかった。

 バイデン氏は、欧州製の鉄鋼とアルミニウムに対してトランプ氏が発動した関税を維持しているが、これは米企業に悪影響を与え、対中国で同盟国と統一戦線を張るのを難しくした。しかし、タイ氏は関税の解除を約束しようとはしなかった。

 トランプ氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するという戦略的・経済的失態を犯した。これによって、同地域の米国の経済的影響力は弱まり、他国はTPPを「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」へと前進させた。
 中国は先月、CPTPPへの加入を申請した。これにバイデン大統領はどう対応するのか。
 タイ氏は感傷的な外交論で応じた。
 「CPTPPのベースとなっているTPPは、数年前に交渉されたものだ。(中略)その間に世界経済は、私たちが本当に注意を払わなければならない現実を見せつけた。したがって、インド太平洋地域のパートナーや同盟国への継続的な投資や関与という点で私たちがすべきことは、今日目の当たりにしている現実や課題に全面的に関与・対処することだ」
 また、中国の略奪的な貿易慣行を変えることは可能だと思うかとの質問に対しては、「人生のほかのことと同じように、行きたい方向に行けていないのであれば、どう軌道修正するかは、出発点を確認して見極める必要がある」と回答。バイデン政権のアプローチは「配慮を非常に重視している」と述べた。

 バイデン政権は強気な物言い以外に対中戦略を持っていないようだ。それは、政権が対中国に関して、そうだとしてもホワイトハウスは、中国以外の国との貿易戦略も持っていないように見える。EU離脱後の英国との協定さえ締結できていない。
 何ともがっかりだとWSJ・社説。

 アフガニスタンからの撤収作戦を、「9.11」の日程を優先し作戦の内容を軽視した失敗を国内外から批判されたバイデン政権。
 対中包囲側線に注力する為と言い訳。それはそれとしても、アフガン撤退で、自由主義を護る盟主としての信頼を損なってよいと言う事にはなりませんね。

 連続して期待を裏切るバイデン政権。中国包囲網の諸策に努めていますが、対中包囲網戦略で優位に立っていたトランプ氏の戦略を継承する路線を採っている様子、しかし、バイデン氏はトランプ氏ではない。
 
 習近平国家主席とジョー・バイデン大統領が9日、7カ月ぶりに電話で会談したそうですね。
 今回の電話会談は、バイデン氏が大統領に就任してから2回目。ホワイトハウス高官によると、バイデン氏の求めで実施されたという。バイデン氏は、中国の下級官僚が米政権との中身のある対話に消極的だとして、いら立っていたそうです。
 バイデン氏と習氏が電話会談 7カ月ぶりに直接協議 - BBCニュース



 # 冒頭の画像は、バイデン大統領と習近平主席 (2013年12月)



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