オバマ政権は、第一次政権のクリントン長官時代末期にアジア回帰を打ち出し、ベトナムの要請を受け、ミヤンマーの脱中国一辺倒を歓迎し、中国包囲網を形成しようとしましたが、第二次政権になると、中国の太平洋分割管理論など執拗な誘い掛けに、米中による新たな二大国関係を構築することで接近をし始めていました。この間、中国の「三戦」戦略の「世論戦」が功を奏したのか、オバマ政権内や米軍に「パンダハガー」と称される媚中派が増殖してきました。
しかし、ここへきて、中国との対話路線で中国の独善姿勢へのメッキが剥げ、オバマ政権も目が覚めたのか、対中姿勢の転換を示す場面が増えてきました。
そう感じているのは、遊爺だけではないようで、今朝の読売がこのことを書いています。
オバマ政権のリバランスに、中国も対抗組織構築に汗をかいていますね。
米国に対抗する勢力組織としてのCICAを構築しようと画策する中国。札束のばら撒きと、中国市場の輸入購買力の魅力をちらつかせての一本釣り攻勢です。
余談ですが、CICAに関する報道の中で、トルコのアブドゥラー・ギュル大統領が習近平の隣にいる画像が良くみられました。安倍首相が訪問することで元々親日のトルコとは、関係の強化が期待されていましたので、習近平が水を差うとしてると見えたのは、遊爺の気のせいでしょうか。
対中での多国間交渉で、ASEAN内で団結を計ることを早くから唱えていたベトナムが、フィリピンとの連携を強めましたね。
両国の連携を深める会談が行われていました。
米国の力は借りるが、自分たちが主体性を持つ姿勢が滲み出ていますね。
アジア諸国から、アジアでの対抗軸として期待されている日本ですが、安倍首相は「安倍ドクトリン」を打ち出し、日米でのアジアの安保支援を唱えています。
ASEAN安保、日米で支援表明へ 「安倍ドクトリン」中国の海洋進出を牽制 - MSN産経ニュース
米国が中国の覇権拡大姿勢の実態を、少しづつ実感し始めてきたことを、評価しています。
# 冒頭の画像は、CICA首脳会議に臨む各国首脳。前列左から、カザフスタンのナザルバエフ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、アフガニスタンのカルザイ大統領ら
この花の名前は、オミナエシ
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しかし、ここへきて、中国との対話路線で中国の独善姿勢へのメッキが剥げ、オバマ政権も目が覚めたのか、対中姿勢の転換を示す場面が増えてきました。
そう感じているのは、遊爺だけではないようで、今朝の読売がこのことを書いています。
米中対立激化不可避か アジア主導権巡り (5/22 読売朝刊)
【ワシントン=白川義和】米オバマ政権は、アジア太平洋地域の安定維持や、貿易を通じた米経済の活性化のため、「アジア重視」の「リバランス(再均衡)政策」を進めており、米国の影響力排除を狙うような習近平国家主席の発言は受け入れられないものだ。今後も日韓などの同盟国や東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化を通じて存在感を示していく構えで、アジアの主導権を巡る中国との対立激化は避けられない。
ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は20日、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会に提出した文書で、「アジア太平洋は米国の成長と安定に不可欠だ」と強調した。さらに、日韓、オーストラリア、フィリピン、タイとの同盟が「アジア太平洋での我々の戦略的立場の強い土台になっている」として、強固な同盟関係を誇示した。
リバランス政策は中国との協力拡大も柱としているが、中国は領有権やサイバー攻撃、貿易慣行などで「法とルール」を守るべきだとする米国の求めに応じていない。習氏の21日の演説でも米国主導の国際秩序に挑戦する姿勢が鮮明になったことで、オバマ政権は対中関係の見直しを迫られている。
ラッセル氏も20日のアジア太平洋小委員会公聴会で、南シナ海の領有権を巡る中国の「一方的な行動」について、「国際社会の批判が北京の政策決定者の考えに影響を及ぼすのは間違いない」と述べ、米国を中心とする対中包囲網で圧力を強めていく考えを示した。
【ワシントン=白川義和】米オバマ政権は、アジア太平洋地域の安定維持や、貿易を通じた米経済の活性化のため、「アジア重視」の「リバランス(再均衡)政策」を進めており、米国の影響力排除を狙うような習近平国家主席の発言は受け入れられないものだ。今後も日韓などの同盟国や東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化を通じて存在感を示していく構えで、アジアの主導権を巡る中国との対立激化は避けられない。
ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は20日、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会に提出した文書で、「アジア太平洋は米国の成長と安定に不可欠だ」と強調した。さらに、日韓、オーストラリア、フィリピン、タイとの同盟が「アジア太平洋での我々の戦略的立場の強い土台になっている」として、強固な同盟関係を誇示した。
リバランス政策は中国との協力拡大も柱としているが、中国は領有権やサイバー攻撃、貿易慣行などで「法とルール」を守るべきだとする米国の求めに応じていない。習氏の21日の演説でも米国主導の国際秩序に挑戦する姿勢が鮮明になったことで、オバマ政権は対中関係の見直しを迫られている。
ラッセル氏も20日のアジア太平洋小委員会公聴会で、南シナ海の領有権を巡る中国の「一方的な行動」について、「国際社会の批判が北京の政策決定者の考えに影響を及ぼすのは間違いない」と述べ、米国を中心とする対中包囲網で圧力を強めていく考えを示した。
オバマ政権のリバランスに、中国も対抗組織構築に汗をかいていますね。
アジア新安保構想 膨張中国、野心見え隠れ 「平等」うたい米を排除 : 5/22 読売朝刊
【上海=五十嵐文、鈴木隆弘】中国の習近平国家主席は21日、上海で開がれた「アジア相互協力信頼醸成措置会議」(CICA)で、「リバランス(再均衡)政策」を掲げる米国に対抗し、アジアの新秩序構築を中国主導で進める姿勢を鮮明にした。「アジア安全観」の名の下に「平等協力」などをうたった新たな外交戦略は、東シナ海や南シナ海で現状変更を図ろうとする膨張路線の「隠れみの」になる危険性をはらんでいる。
<中略>
■「封じ込め」に対抗
中国は、アジアを中心により多くの国が参加する協力の枠組みを活用し、米国が日本や韓国、フィリピンとの同盟強化で進める「中国封じ込め」に対抗していくことを目指している。
その思惑を証明するかのように、習氏は会議で、先進7か国(G7)が正式加盟していないCICAの首脳・外交会合を今後頻繁に開くとともに、「上海協力機構」などとの連携を強めることを提案した。中国が主催する11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に向けて、7月の新興5か国(BRICS)や9月の上海協力機構などの首脳会議を利用し、中国主導の新秩序を強調する狙いだ。
だが、CICAの限界は早くも明らかだ。会議には南シナ海での中国の石油掘削に対して反発するベトナムのグエン・ティ・ゾアン国家副主席が参加。出席者によると、ゾアン氏は、中国との衝突を念頭に、「武力の使用、威嚇は行わないとの原則が重要だ。ベトナムは原則を堅持し、中国も守るべきだ」と述べた。
オブザーバーとして出席した北京の日本大使館の堀之内秀久次席公使も、「国際法に基づき、紛争は平和的に解決すべきだ」と語り、中国をけん制した。
習氏は「相互信頼を増進することが重要だ」としただけで、南シナ海問題は主要議題とはならなかった。
【上海=五十嵐文、鈴木隆弘】中国の習近平国家主席は21日、上海で開がれた「アジア相互協力信頼醸成措置会議」(CICA)で、「リバランス(再均衡)政策」を掲げる米国に対抗し、アジアの新秩序構築を中国主導で進める姿勢を鮮明にした。「アジア安全観」の名の下に「平等協力」などをうたった新たな外交戦略は、東シナ海や南シナ海で現状変更を図ろうとする膨張路線の「隠れみの」になる危険性をはらんでいる。
<中略>
■「封じ込め」に対抗
中国は、アジアを中心により多くの国が参加する協力の枠組みを活用し、米国が日本や韓国、フィリピンとの同盟強化で進める「中国封じ込め」に対抗していくことを目指している。
その思惑を証明するかのように、習氏は会議で、先進7か国(G7)が正式加盟していないCICAの首脳・外交会合を今後頻繁に開くとともに、「上海協力機構」などとの連携を強めることを提案した。中国が主催する11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に向けて、7月の新興5か国(BRICS)や9月の上海協力機構などの首脳会議を利用し、中国主導の新秩序を強調する狙いだ。
だが、CICAの限界は早くも明らかだ。会議には南シナ海での中国の石油掘削に対して反発するベトナムのグエン・ティ・ゾアン国家副主席が参加。出席者によると、ゾアン氏は、中国との衝突を念頭に、「武力の使用、威嚇は行わないとの原則が重要だ。ベトナムは原則を堅持し、中国も守るべきだ」と述べた。
オブザーバーとして出席した北京の日本大使館の堀之内秀久次席公使も、「国際法に基づき、紛争は平和的に解決すべきだ」と語り、中国をけん制した。
習氏は「相互信頼を増進することが重要だ」としただけで、南シナ海問題は主要議題とはならなかった。
米国に対抗する勢力組織としてのCICAを構築しようと画策する中国。札束のばら撒きと、中国市場の輸入購買力の魅力をちらつかせての一本釣り攻勢です。
余談ですが、CICAに関する報道の中で、トルコのアブドゥラー・ギュル大統領が習近平の隣にいる画像が良くみられました。安倍首相が訪問することで元々親日のトルコとは、関係の強化が期待されていましたので、習近平が水を差うとしてると見えたのは、遊爺の気のせいでしょうか。
対中での多国間交渉で、ASEAN内で団結を計ることを早くから唱えていたベトナムが、フィリピンとの連携を強めましたね。
両国の連携を深める会談が行われていました。
米国の力は借りるが、自分たちが主体性を持つ姿勢が滲み出ていますね。
比ベトナム警備協力 首脳会談 中国の動き強く非難 (5/22 読売朝刊)
【マニラ=向井ゆう子】フィリピンのアキノ大統領は21日、マニラでベトナムのズン首相と会談し、中国による南シナ海での一方的な現状変更の動きを強く非難するとともに、沿岸警備隊の連携などの協力を強化することで合意した。両首脳は今後、インドネシアなど周辺国とも協力し、中国に対する包囲網を形成したい考えだ。
会談後の共同記者会見で、ズン氏は、パラセル(西沙)諸島沖で中国が石油掘削を開始した問題について、「中国によってもたらされた極度に危険な状況は国際法に違反しており、地域の脅威となっている」と非難し、東南アジアの安全保障を脅かしていると訴えた。また、「(比越)両国は中国の違反行為にともに対抗する」と語った。
アキノ氏は「両国は海洋国家として同じ課題に直面しており、協力すれば海洋資源をより守れるようになる」と強調。通報や救援システム、情報交換などで両国の協力を強めていくとした。また、防衛担当の副大臣級対話の創設を目指し、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会合を通じた協議を強化する方針も示した。
ズン氏は今回、「世界経済フォーラム東アジア会議」に合わせてフィリピンを訪問した。
【マニラ=向井ゆう子】フィリピンのアキノ大統領は21日、マニラでベトナムのズン首相と会談し、中国による南シナ海での一方的な現状変更の動きを強く非難するとともに、沿岸警備隊の連携などの協力を強化することで合意した。両首脳は今後、インドネシアなど周辺国とも協力し、中国に対する包囲網を形成したい考えだ。
会談後の共同記者会見で、ズン氏は、パラセル(西沙)諸島沖で中国が石油掘削を開始した問題について、「中国によってもたらされた極度に危険な状況は国際法に違反しており、地域の脅威となっている」と非難し、東南アジアの安全保障を脅かしていると訴えた。また、「(比越)両国は中国の違反行為にともに対抗する」と語った。
アキノ氏は「両国は海洋国家として同じ課題に直面しており、協力すれば海洋資源をより守れるようになる」と強調。通報や救援システム、情報交換などで両国の協力を強めていくとした。また、防衛担当の副大臣級対話の創設を目指し、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会合を通じた協議を強化する方針も示した。
ズン氏は今回、「世界経済フォーラム東アジア会議」に合わせてフィリピンを訪問した。
アジア諸国から、アジアでの対抗軸として期待されている日本ですが、安倍首相は「安倍ドクトリン」を打ち出し、日米でのアジアの安保支援を唱えています。
ASEAN安保、日米で支援表明へ 「安倍ドクトリン」中国の海洋進出を牽制 - MSN産経ニュース
米国が中国の覇権拡大姿勢の実態を、少しづつ実感し始めてきたことを、評価しています。
# 冒頭の画像は、CICA首脳会議に臨む各国首脳。前列左から、カザフスタンのナザルバエフ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、アフガニスタンのカルザイ大統領ら
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