遊爺雑記帳

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ロシア産原油 だぶつき減産へ

2022-04-16 01:33:33 | ロシア全般
 ロシアでは行き場を失った原油がエネルギー供給網を逆流し、産油量の落ち込みが鮮明になってきていて、ウクライナとの戦闘が激化する中で、ロシア経済の屋台骨に深刻な影響をもたらしつつあると、WSJのJoe Wallace and Anna Hirtensteinの寄稿(以後、WSJと呼称)があります。
 
ロシア産原油のだぶつき 成長エンジンを直撃 - WSJ 貯蔵スペース不足で製油所や油井で減産が広がる By Joe Wallace and Anna Hirtenstein
2022 年 4 月 14 日

 ロシアでは行き場を失った原油がエネルギー供給網を逆流し、産油量の落ち込みが鮮明になってきた。ウクライナとの戦闘が激化する中で、ロシア経済の屋台骨に深刻な影響をもたらしつつある

 製油所では、
国内外の需要の落ち込みを受けて精製量を減らすか、閉鎖に追い込まれたところも出ている。パイプラインやタンク内の貯蔵スペースは減少の一途をたどっており、油井でも生産を縮小している。

 
とはいえ損失は今のところ限定的で、エネルギー業界は依然としてロシア政府に巨額の収入をもたらしている。ただ、向こう数カ月には、原油を採掘してから供給先に届けるまでに問題が生じる可能性が高い、とトレーダーやアナリストは指摘している。

 こうした予兆を映し出すかのように、
国際エネルギー機関(IEA)は13日、ロシアでは5月以降、日量およそ300万バレルの生産が滞るとの予想を示した。これにより産油量は日量900万バレル弱と、アナリストの予想以上に落ち込む見通しだ。

 ロシアの産油量がどこまで打撃を受けるかは、アジアで新規顧客を確保できるかどうかにかかっている。
米国の顧客は完全に避けており、欧州でも代替の調達先を探る動きが広がっているIEAでは、ロシア産原油の長年の買い手が離れていったことで、中国が急いでその分を輸入している兆候はまだ見られないとしている

 
産油量が持続的に落ち込めば、西側の経済制裁で深刻な景気後退に向かっているとみられる厳しい局面で、ロシア経済のけん引役が大きく損なわれることになる。DNBマーケッツの上級石油アナリスト、ヘルジ・アンドレ・マーティンセン氏は「潜在的な生産能力の一部が恒久的に失われる恐れがある」と話す。

 
ロシアの石油・天然ガス業界がこの危機を乗り越えることができるかどうかは、政府の運命を左右することになりそうだ2021年のロシア予算で、歳入の45%は石油・ガス業界によるものだった(IEA調べ)。国際金融協会(IIF)では、ロシアは3月の原油輸出代金として121億ドル(約1兆5200億円)を受け取ると試算している。

 トレーダーによると、
ロシアの精製業界はウクライナへの侵攻開始直後から問題に直面した。欧州の買い手が代替の調達先の確保に動き、輸出が急減したためだ。その後の3月初旬には、米国がロシア産石油の輸入禁止に踏み切った。

 
ロシアでは十分な買い手がつかなかったことで、ディーゼルやガソリンなど石油製品の貯蔵スペースが枯渇し始めた。そのため、精製業者の稼働率は低下。4月8日までの1週間に製油所の生産量は日量約170万バレル減った。S&Pグローバル・コモディティー・インサイツの石油分析責任者、リチャード・ジョスウィック氏が分析した。これは稼働率が下がる春季メンテナンス期間の通常レベルをさらに7割下回る水準だという。

 
ロシア石油第2位ルクオイルのバギト・アレクペロフ最高経営責任者(CEO)は3月下旬、アレクサンドル・ノバク副首相に宛てた書簡で、貯蔵スペースが不足していると伝えていた。現地紙コメルサントが報じた。アレクペロフ氏は製油所の閉鎖を回避するため、燃料油を発電所に振り向けるよう要請したという。

 ルクオイルの広報担当はコメントの要請に応じていない。

 ロシアの製油業界が衰退すれば、石油市場への影響は大きい。ロシアはウクライナに侵攻するまで、米国、サウジアラビアに次いで世界第3位の石油生産国だった。また世界最大の輸出国でもあり、日量500万バレルの原油とコンデンセートに加え、ディーゼルなど日量290万バレルの石油精製品を海外に供給していた。

 
ロシア国営パイプライン会社トランスネフチでは、製油所への原油供給が落ち込んでいるため、パイプライン内の原油貯蔵スペースがひっ迫しているもようだ。トレーダーやアナリストが明らかにした。ただ、パイプライン網にどれだけの原油が貯蔵されているかを正確に測ることは難しい。前出のジョスウィック氏によると、ロシアの貯蔵タンクは固定式の上部で覆われているか、地下に位置するものが多く、人工衛星画像からタンク上部の高さを追跡することで内部の原油量を推定することができない。

 トランスネフチの広報担当はコメントの要請に応じていない。

 
原油が行き場を失っていることで、ロシアの生産業者は減産を余儀なくされている。エネジー・アスペクツの共同創業者、アムリタ・セン氏は、原油・コンデンセートの生産量が日量1050万バレルに減少したと分析している。これに対し、ウクライナへの侵攻を開始した前日にあたる2月23日は同1110万バレルだった。また世界の石油需要は日量当たり約1億バレルだ。

 
4月末まで続いた場合、ロシアの原油生産量は2021年7月の水準まで戻ることになる。これは新型コロナウイルス禍からの需要回復に対応するため、石油輸出国機構(OPEC)内外の主要産油国で構成するOPECプラスが一連の増産に乗り出す前の水準だ。ランバート・エナジー・アドバイザリーが分析した。

 ただ、
アナリストの話では、ロシアのエネルギー業界が持続的な打撃を受けるかどうかを判断するのは時期尚早だ。ロシアはトルコやインドなどへの原油輸出を増やしており、西側への供給減少に迅速に対応している兆候が見受けられる。

 製油所では、国内外の需要の落ち込みを受けて精製量を減らすか、閉鎖に追い込まれたところも出ている。パイプラインやタンク内の貯蔵スペースは減少の一途をたどっており、油井でも生産を縮小しているとWSJ。
 向こう数カ月には、原油を採掘してから供給先に届けるまでに問題が生じる可能性が高い、とトレーダーやアナリストは指摘しているのだと。

 国際エネルギー機関(IEA)は13日、ロシアでは5月以降、日量およそ300万バレルの生産が滞るとの予想を示した。これにより産油量は日量900万バレル弱と、アナリストの予想以上に落ち込む見通しだとWSJ。
 米国の顧客は完全に避けており、欧州でも代替の調達先を探る動きが広がっている。IEAでは、ロシア産原油の長年の買い手が離れていったことで、中国が急いでその分を輸入している兆候はまだ見られないとしているとも。

 産油量が持続的に落ち込めば、西側の経済制裁で深刻な景気後退に向かっているとみられる厳しい局面で、ロシア経済のけん引役が大きく損なわれることになる。DNBマーケッツの上級石油アナリスト、ヘルジ・アンドレ・マーティンセン氏は「潜在的な生産能力の一部が恒久的に失われる恐れがある」と。

 2021年のロシア予算で、歳入の45%は石油・ガス業界によるものだった(IEA調べ)のだそうで、ロシアの石油・天然ガス業界がこの危機を乗り越えることができるかどうかは、政府の運命を左右することになりそうだとWSJ。

 トレーダーによると、ロシアの精製業界はウクライナへの侵攻開始直後から問題に直面した。欧州の買い手が代替の調達先の確保に動き、輸出が急減したのだそうです。
 十分な買い手がつかなかったことで、ディーゼルやガソリンなど石油製品の貯蔵スペースが枯渇し始めた。そのため、精製業者の稼働率は低下。

 ロシア石油第2位ルクオイルのバギト・アレクペロフ最高経営責任者(CEO)は3月下旬、アレクサンドル・ノバク副首相に宛てた書簡で、貯蔵スペースが不足していると伝えていた。現地紙コメルサントが報じた。アレクペロフ氏は製油所の閉鎖を回避するため、燃料油を発電所に振り向けるよう要請したという。
 ただし、ルクオイルの広報担当はコメントの要請に応じていないと。
  
 ロシア国営パイプライン会社トランスネフチでは、製油所への原油供給が落ち込んでいるため、パイプライン内の原油貯蔵スペースがひっ迫しているもようなのだそうですが、パイプライン網にどれだけの原油が貯蔵されているかを正確に測ることは難しいのだそうです。

 原油が行き場を失っていることで、ロシアの生産業者は減産を余儀なくされている。
 4月末まで続いた場合、ロシアの原油生産量は2021年7月の水準まで戻ることになるのだそうです。
 
 ただ、アナリストの話では、ロシアのエネルギー業界が持続的な打撃を受けるかどうかを判断するのは時期尚早だ。ロシアはトルコやインドなどへの原油輸出を増やしており、西側への供給減少に迅速に対応している兆候が見受けられるとWSJ。

 ロシアのエネルギー地下資源は、石炭、原油、天然ガスがあり、いずれもドイツをはじめとする欧州諸国が依存度が高いことは、諸兄がご承知のとおり。石炭に関しては手始めに輸入削減が進められている報道は目にしますが、天然ガスとなると、輸入削減にはかなり時間がかかりそうという報道が大勢ですね。

 ロシア産ガス輸入、年内6割減 禁止せず、30年までに依存脱却―EU:時事ドットコム

 日本の岸田政権は、米エクソンモービル(エクソン)とイギリス&オランダの「ロイヤル・ダッチ・シェル」(シェル)が撤退を発表した、サハリン1,2等の開発から、商工会議所会頭や経団連会長の撤退しないとの声を聞き入れ、日本は撤退しないと公言しています。
 ウクライナの市民の命をゆえなく奪い戦争犯罪が問われているロシアの行為に対する、国際制裁の流れに外れる外交決断。流石は外務大臣を首になった実績の持ち主らしい決断。欧米に反して、日本を、ロシアや中国の下に隷属させようという決断にしか見えません。

 首相が「撤退しない」とした「サハリン1・2」続行を国際世論は許すか。ロシア企業トップはプーチンの側近(坂東太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース



 # 冒頭の画像は、モスクワのガスプロムネフチ製油所




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