遊爺雑記帳

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習近平 中国主導の新国際秩序作りの意欲表明

2018-04-11 12:12:03 | 中国 全般
  ダボス会議のアジア版を目指して、中国政府の全面的支援を受けて2001年2月に設立された「ボアオ・アジア・フォーラム(博鰲アジアフォーラム)」。
 3年ぶりに出席した習近平は、中国主導の新国際秩序作りを推し進める意欲を示したのだそうです。
 
習氏 新秩序構築に意欲 フォーラム演説 米の一国主義意識 (4/11 読売朝刊)

 【博贅(ボーアオ)(中国海南省)=竹腰雅彦】中国の習近平国家主席は10日、「ボーアオ・アジアフォーラム」での演説で、「『人類運命共同体』の構築という目標に向かってまい進し、アジアと世界の素晴らしい未来を共に築いていく」と述べ、巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じ、中国主導の新国際秩序作りを推し進める意欲を示した
 「尊大で独善的な姿勢では、八方ふさがりとなる」
 「(気候変動問題など地球規模の課題で)人類は、前進か後退かの新しく重大な決断を迫られている」
 同フォーラムに3年ぶりに出席した
習氏の演説は、名指しこそしなかったが、「一国主義」の傾向が目立つ米トランプ政権を強く意識した内容となった。米国が国際協調と一線を画す現状を「好機」と捉え、中国主導の新秩序構築を加速させる思惑がある。
 習氏は、
米国と並び立つ「社会主義現代化強国」に改めて触れ、ウィンウィン(共存共栄)の協力を柱とした「新しいタイプの国際関係」と、中国が主導し世界の融合・発展を目指す「人類運命共同体」の構築を呼びかけた。
 習氏は前回参加した15年、「アジアは運命共同体に向かい、新たな未来を切り開く」と述べ、「アジアの盟主」として地域を先導する姿勢をアピールしていた。今回は
視界を更に世界的規模にまで広げた
 3月の新閣僚らの選出を受け、本格始動した2期目習政権で、今年の外交の目玉が「4大ホームグラウンド外交」(王毅国務委員兼外相)だ。経済外交中心の同フォーラムを手始めに米国への対抗軸となる上海協力機構(SCO)首脳会議(6月)、アフリカへの影響力拡大を図る中国アフリカ協力フォーラム首脳会議(9月)、自由貿易の「旗振り役」を誇示する初の国際輸入博覧会(11月)を開く。「2期目外交の方向性が明確にうかがえる内容」(外交筋)だ。
 圧倒的な経済力を武器に
中国が世界で進める影響力浸透は、「親中国」の地域ブロック構築への懸念など、国際社会に新たな「中国脅威論」を招いている。習氏は「中国はどれだけ発展しても、今の国際体系を覆すことはない」と強調した。
 ただ、
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の外交筋は「『運命共同体』とは中国の存在なしに国が成り立たない状態という意味でもある」と危惧の念を語った。

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*習氏は中国主導の新秩序構築戦略を着々と打ち出してきた

15年3月 ポーアオ・アジアフォーラムで演説
 「アジアは運命共同体に向力い、新たな未来を切り開かねばならない。アジアと世界に更に有益な地域秩序を作り上げる

17年10月 共産党大会の政治報告
 「(中国は)発展の加速と独立性の維持を望む国々と民族に全く新しい選択肢を提供し、人類の問題解決に自らの知恵と案を出している」


17年11月 ベトナムでのビジネスサミットで演説
 「『一帯一路』は理念から行動、計画から実施の新段階に入った。地政学の道具ではなく、関係国の実務協力の土台だ」

18年4月 ボーアオ・アジアフオーラムで演説
 「『人類運命共同体』構築にまい進し、アジアと世界の素晴らしい未来を共に築く」
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中国が人工島に通信妨害装置設置 南シナ海

 【ワシントン=大木聖馬、北京=東慶一郎】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は9日、複数の米国防当局者の話として、中国が軍事拠点化を進めている
南シナ海のスプラトリー諸島の人工島に、軍事用の電波妨害装置を設置したと伝えた。
 中国はこれまで
人工島の整備について、海難救助や漁民保護などの非軍事的な目的を理由に挙げている。同当局者は「電波妨害装置は軍事目的のみに用いられる」と矛盾を指摘している。
 電波妨害装置が設置されたのは、同諸島のファイアリー・クロス、ミスチーフの2礁で、衛星写真から確認された。過去90日間に設置されたという。
 同紙は同装置の設置により、
米軍が南シナ海で実施する台湾防衛などの作戦に影響が出る可能性を指摘している。
 一方、
中国国防省の任国強報道官は10日、報道に対し、「南沙諸島(スプラトリー諸島の中国名)は中国の領土であり、国土防衛に必要な施設を整備するのは主権国家の当然の権利だ」と反論する談話を発表した。

 トランプ政権の米国が、国際協調と一線を画す現状を「好機」と捉え、中国主導の新秩序構築を加速させる思惑が透けて見えます。
 米国とのウィンウィン(共存共栄)の協力を柱とした「新しいタイプの国際関係」を述べると共に、中国が主導し世界の融合・発展を目指す「人類運命共同体」の構築を呼びかけたのだそうです。
 
 一期目の外交成果は、オバマ政権にG2での太平洋二分割統治をしつこく呼びかけながら、最後はオバマ大統領に「航行の自由作戦」採用を踏み切らせ、南シナ海の「九段線」による領海、人口島の領土の主張を、仲裁裁判所で否定採決を下される失態がありました。
 二期目に向けた「人類運命共同体」の構築は、視野を世界に広げ、米国との対抗軸を構築しようとするものなのだと。
 しかし、「『運命共同体』とは中国の存在なしに国が成り立たない状態という意味でもある」との危惧の声もあり、国際社会に新たな「中国脅威論」を招いているとも。

 トランプ大統領も、対北制裁の協力を得るため、訪中時には親中国姿勢を見せていましたが、中国の覇権主義が米国にとって脅威となるとの国内世論の高まりもあり、対中警戒論が高まっています。

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 仲裁裁判所で否定された人口島り領有権を無視して、通信妨害装置設置を構築し、「中国の領土であり、国土防衛に必要な施設を整備するのは主権国家の当然の権利だ」と主張しています。
 完全な国際法の無視です。「人類運命共同体」とは片腹痛い。

 国内では任期制約を撤廃した習近平独裁体制。「中華の夢」を追い求める習近平の世界制覇への歩みの開始。
 警戒と監視と対策が求められます。



 # 冒頭の画像は、習近平


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