円はここ数年、パフォーマンスが最も悪い通貨の一つだったが、2024年には上向くかもしれない。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
アベノミクス導入チームメンバーのひとりだった黒田前日銀総裁は、日本経済の低迷の状況下、頑なに世界の利上げトレンドに追随しなかったし、新任の植田総裁も当面それを継続。
そんな世界の流れの中で独歩の日銀の政策が、2024年に実を結ぶとWSJ・ジャッキー・ウォン氏。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
日本のインフレ率は上昇したとはいえ、他の先進国に比べると依然として低水準にとどまっている。11月の生鮮食品を除くコアインフレ率は前年同月比2.5%で、年初の4.2%から低下。
目標の2%を上回っているにもかかわらず、日銀は経済への打撃となることを恐れて早急な利上げには慎重。
それでもいずれは金融引き締めにかじを切るかもしれない。
すでに、長期債利回りを低位に維持しようとする「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」政策は何度か修正した。円は11月中旬以降、対ドルで約7%上昇しており、24年中にマイナス金利を解除するとの観測がその一因だと、ジャッキー・ウォン氏。
24年の円相場にとって最大の支援材料の一つは、やはり米連邦準備制度理事会(FRB)だろう。FRBはすでに利上げサイクルを終了した可能性が高く、利下げ転換を示唆している。日米の10年物国債利回り差はこの2カ月で1ポイント近く縮小した。要因は米国債利回りの急低下だと、ジャッキー・ウォン氏。
他の主要中銀が軒並み利上げに踏み切ったとき、日銀は円が下押し圧力に耐えられると判断して動かなかった。その賭けが今、実を結んでいるようだと。
頑なに批判に屈せず信念を貫いた黒田前総裁と、それを継承している植田新総裁に感謝。
この花の名前は、ヒナソウ
↓よろしかったら、お願いします。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
アベノミクス導入チームメンバーのひとりだった黒田前日銀総裁は、日本経済の低迷の状況下、頑なに世界の利上げトレンドに追随しなかったし、新任の植田総裁も当面それを継続。
そんな世界の流れの中で独歩の日銀の政策が、2024年に実を結ぶとWSJ・ジャッキー・ウォン氏。
2024年は円の年になるか - WSJ
世界の利上げに追随しなかった日銀、円に復調の兆し
By Jacky Wong 2023年12月29日
円はここ数年、パフォーマンスが最も悪い通貨の一つだったが、2024年には上向くかもしれない。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
日本のインフレ率は上昇したとはいえ、インフレはほぼ全ての地域で起きており、他の先進国に比べると依然として低水準にとどまっている。11月の生鮮食品を除くコアインフレ率は前年同月比2.5%で、年初の4.2%から低下した。目標の2%を上回っているにもかかわらず、日銀は経済への打撃となることを恐れて早急な利上げには慎重だ。
それでもいずれは金融引き締めにかじを切るかもしれない。インフレ率が目標を持続的に上回っていると判断すればなおさらだ。すでに、長期債利回りを低位に維持しようとする「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」政策は何度か修正した。円は11月中旬以降、対ドルで約7%上昇しており、24年中にマイナス金利を解除するとの観測がその一因だ。
だが、24年の円相場にとって最大の支援材料の一つは、やはり米連邦準備制度理事会(FRB)だろう。FRBはすでに利上げサイクルを終了した可能性が高く、利下げ転換を示唆している。日米の10年物国債利回り差はこの2カ月で1ポイント近く縮小した。要因は米国債利回りの急低下で、実は日本国債の利回りもこの間に低下している。
他の主要中銀が軒並み利上げに踏み切ったとき、日銀は円が下押し圧力に耐えられると判断して動かなかった。その賭けが今、実を結んでいるようだ
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ジャッキー・ウォンは、アジアのビジネスと市場をカバーするハード・オン・ザ・ストリートのコラムニストです。以前は、香港のジャーナルのマーケットトークレポーターでした。彼はBNPパリバのトレーダーとしてキャリアをスタートさせました。
世界の利上げに追随しなかった日銀、円に復調の兆し
By Jacky Wong 2023年12月29日
円はここ数年、パフォーマンスが最も悪い通貨の一つだったが、2024年には上向くかもしれない。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
日本のインフレ率は上昇したとはいえ、インフレはほぼ全ての地域で起きており、他の先進国に比べると依然として低水準にとどまっている。11月の生鮮食品を除くコアインフレ率は前年同月比2.5%で、年初の4.2%から低下した。目標の2%を上回っているにもかかわらず、日銀は経済への打撃となることを恐れて早急な利上げには慎重だ。
それでもいずれは金融引き締めにかじを切るかもしれない。インフレ率が目標を持続的に上回っていると判断すればなおさらだ。すでに、長期債利回りを低位に維持しようとする「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」政策は何度か修正した。円は11月中旬以降、対ドルで約7%上昇しており、24年中にマイナス金利を解除するとの観測がその一因だ。
だが、24年の円相場にとって最大の支援材料の一つは、やはり米連邦準備制度理事会(FRB)だろう。FRBはすでに利上げサイクルを終了した可能性が高く、利下げ転換を示唆している。日米の10年物国債利回り差はこの2カ月で1ポイント近く縮小した。要因は米国債利回りの急低下で、実は日本国債の利回りもこの間に低下している。
他の主要中銀が軒並み利上げに踏み切ったとき、日銀は円が下押し圧力に耐えられると判断して動かなかった。その賭けが今、実を結んでいるようだ
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ジャッキー・ウォンは、アジアのビジネスと市場をカバーするハード・オン・ザ・ストリートのコラムニストです。以前は、香港のジャーナルのマーケットトークレポーターでした。彼はBNPパリバのトレーダーとしてキャリアをスタートさせました。
円の対ドル相場は2021年末以降、約20%下落し、他の主要通貨よりも下落率が大きい。主要国の大半が積極的な利上げを行う中、日本銀行は超低金利を維持した。海外で利回りが上昇したことで、円は下落する一方だった。
日本のインフレ率は上昇したとはいえ、他の先進国に比べると依然として低水準にとどまっている。11月の生鮮食品を除くコアインフレ率は前年同月比2.5%で、年初の4.2%から低下。
目標の2%を上回っているにもかかわらず、日銀は経済への打撃となることを恐れて早急な利上げには慎重。
それでもいずれは金融引き締めにかじを切るかもしれない。
すでに、長期債利回りを低位に維持しようとする「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」政策は何度か修正した。円は11月中旬以降、対ドルで約7%上昇しており、24年中にマイナス金利を解除するとの観測がその一因だと、ジャッキー・ウォン氏。
24年の円相場にとって最大の支援材料の一つは、やはり米連邦準備制度理事会(FRB)だろう。FRBはすでに利上げサイクルを終了した可能性が高く、利下げ転換を示唆している。日米の10年物国債利回り差はこの2カ月で1ポイント近く縮小した。要因は米国債利回りの急低下だと、ジャッキー・ウォン氏。
他の主要中銀が軒並み利上げに踏み切ったとき、日銀は円が下押し圧力に耐えられると判断して動かなかった。その賭けが今、実を結んでいるようだと。
頑なに批判に屈せず信念を貫いた黒田前総裁と、それを継承している植田新総裁に感謝。
この花の名前は、ヒナソウ
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